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ローソンの「238円」高品質カップ麺、想定外のスピードで完売 第2弾を1月28日発売 価格を下げるための“思い切った”作戦とは

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月22日 15時5分

ローソンの「238円」高品質カップ麺、想定外のスピードで完売 第2弾を1月28日発売 価格を下げるための“思い切った”作戦とは

どんなカップラーメンなのか

 ローソンは1月28日、全国のローソン店舗でプライベートブランド(PB)の「スープ激うま!札幌味噌ラーメン」と「スープ激うま!京都背脂醤油ラーメン」(ともに238円)を発売する。コンセプトは「高品質なカップラーメンをお手頃価格で提供する」とのことだが、どんな工夫をしているのか。同社の商品開発担当者に聞いた。

 「スープ激うま!」シリーズにおける最大の特徴は、具材を無くしていることだ。「具材を省いて浮いたコストを、スープに“全振り”している」(担当者)という。

 新作の「札幌味噌ラーメン」は、みそ、とんこつ、香味調味料を合わせた濃厚なみそのコクや、炒め野菜のうまみを楽しめるようにしたスープが特徴。もう一つの「京都背脂醤油ラーメン」は、鶏や背脂のうまみと、しょうゆのコクが楽しめるスープに仕立てた。

 価格設定は、ローソンで売れ筋のカップ麺の平均価格である250円を下回る238円とした。

 なぜ238円まで価格を抑えたのか。背景にあるのは、消費者の生活防衛意識の高まりだ。昨今の物価高で、より低価格な商品が売れる傾向が強まっている。例えば、ローソンで取り扱うこだわりのカップ麺は300円程度だが、近年、売り上げが苦戦している。ライバルとなるスーパーやドラッグストアでは、同じようなコンセプトの高品質カップ麺が250円程度で販売されている。この「50円の壁」が、苦戦の背景にあると担当者は分析。通常のやり方では、「高品質でもお手頃価格」を実現しにくいと考え、「スープ激うま!」シリーズではあえて具材を省くという決断をした。

 具材を省いても、満足度には大きく影響しないと判断した理由は他にもある。カップ麺メーカーとの意見交換や、ローソン独自の調査によると、消費者がカップ麺選びで最も重視しているのはスープで、2位が麺、3位が具材という結果に。スープと麺に絞った商品は支持される可能性があった。

 ローソンが開発した具のないカップ麺は他にもある。それは、2023年4月に発売したPBの「麺大盛りシリーズ」(198円)だ。お手頃価格で大容量というのが特徴で、バケツ型の容器に入っている。シリーズの累計販売数は1700万個を突破したヒットシリーズだ。麺大盛りシリーズが生まれた背景にも、消費者の節約意識の高まりがある。

●第1弾はすぐに売り切れ

 「スープ激うま!」シリーズの第1弾である「激辛味噌ラーメン」と「濃厚豚骨ラーメン」は2024年10月に発売された。通常の新商品は2カ月程度で売り切れるが、「スープ激うま!」シリーズはその倍近いスピードで売り切れた。30~40代に特に支持されており、リピート率も高かったという。販売実績を分析すると、おにぎりと一緒に購入するケースが多く見られた。

 第1弾の成功を踏まえ、第2弾では、よりスタンダードなしょうゆとみそ味で勝負する。生活防衛意識が高まる中で、ローソンが編み出した“奇策”はさらなる支持を得られるか。

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