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「パーカーおじさん」はなぜ生まれた? ちょいワルおやじがビジネスシーンに与えた、無視できない影響

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月27日 5時55分

「パーカーおじさん」はなぜ生まれた? ちょいワルおやじがビジネスシーンに与えた、無視できない影響

なぜ「パーカー」がここまで大事になったのか

 2024年末に「40歳パーカーおじさん論争」が起きました。「40歳にもなってパーカーを着ているおじさんはどうなのか」というYouTube動画を発端に、さまざまな反響があり、「おじさん」たちからの“反論”も目立ちました。

 なぜ、ここまでパーカーが話題になったのでしょうか。流通小売り・サービス業のコンサルティング約30年続けてきているムガマエ代表の岩崎剛幸がマーケティングの視点から分析していきます。

●「職場でパーカー」は本当にNGなのか

 40歳パーカー論争は、作家の妹尾ユウカ氏がYouTubeの「新R25チャンネル」にて、「40歳近くになって職場でパーカーを着ているおじさんはおかしい」と発言したのが発端です。動画は「イケてないおじさんにならないためにどうするべきか」といった趣旨でした。

 これを受けて、何人かの経営者の方々に「私自身、50代でパーカーを着ていますが、みなさんはどうですか」と聞くと、「俺も着ている」「毎日着ている」といった反応が相次ぎました。妹尾氏は別のインタビューで「TPOの話で言っただけ」と弁明していますが、最近は仕事場での服装もかなりカジュアル化しています。パーカーを仕事場で着るのがNGだとすれば、Tシャツは良いのでしょうか。また、ジャージやスウェットはどうなのでしょう。これは職業や会社の服装規定などによっても異なります。

 もちろん30年ほど前までは、日本のビジネスシーンではパーカーはおろか、ネクタイを外して仕事することすら考えられませんでした。筆者も新入社員時代にはスーツとネクタイで仕事をしていましたし、経営コンサルタントの世界でも「きちんとした服装をする」ことが社内規定となっていました。

 こうした状況が大きく変わったのは「クールビズ」です。2005年に地球温暖化対策の一環として始まったのをきっかけに、仕事場での服装がカジュアル化。ビジネスファッションシーンが一変しました。仕事場でパーカーおじさんが増えたきっかけの一つは、このクールビズだったと考えています。

●クールビズにウォームビズが、カジュアル化を後押し

 2005年より前は、マスコミやIT、ファッション業界など一部企業でしかカジュアルなファッションを目にすることがありませんでした。基本的にビジネスパーソンは、暑い日も寒い日もスーツにネクタイ。それが日本のおじさんだけでなく、若者も含めた定番ファッションでした。

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