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都市部で進む、家電量販店の「デパート化」 ヤマダ・ヨドバシ・ビックの目指す方向とは

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月28日 5時55分

 中でも東京・秋葉原の「ヨドバシAkiba」と、大阪・梅田にある「ヨドバシ梅田」が代表的な店舗だ。2005年に開業したヨドバシAkibaは延床面積6万平方メートル超、1階から6階がヨドバシカメラのフロアで、地下1階と7~9階は専門店フロアとなっている。

 ヨドバシカメラのフロアには通常の家電や電子機器の他、化粧品や酒類、アウトドア用品のコーナーがある。高級時計とキャリーバッグのコーナーはインバウンドでにぎわっていることが多い。8階のレストランフロアには居酒屋も入居している。

 大阪・梅田駅に直結するヨドバシ梅田は、2001年に開業。2019年にはユニクロやニトリが入居する専門店棟の「LINKS UMEDA」が開業し、両者を合わせた延床面積は約22万平方メートルとなった。LINKS UMEDAの地下1階には食品スーパーもあり、衣・食・住がそろう、文字通りのデパートと化している。

 米ファンド・フォートレスを通じて西武・そごうの一部店舗を取得したヨドバシHDだが、既に千葉そごう・ジュンヌ館跡地に出店している。今後は西武池袋本店への出店を予定しているほか、西武渋谷店への出店も検討しており、秋葉原・梅田ほどの大規模店を再び出店する可能性は低いが、百貨店跡地を中心に勢力を拡大する見込みだ。

●規模は小さめだが、「薬局」が充実しているビック

 ビックカメラは空港内店舗など小規模なものを除くと約50店舗を運営している。全国の主要駅付近に出店し、1店舗当たりの規模はヨドバシカメラよりも小さく、売り上げも2024年8月期は4503億円(単体)で、ヤマダ・ヨドバシほどではない。

 店舗の構成はヨドバシカメラと似ている。非家電ではおもちゃ売場が充実しているほか、インバウンド向けのトラベル・時計コーナー、お酒売場もある。ただし店舗面積が限られているため、商品の選択肢は少ないと感じる。「本店」を名乗る池袋本店でも、PC類を道路の向かい側にある「カメラ・パソコン館」で販売するなど、複数店舗でラインアップを充足させている。

 デパート化が目立つのは、2022年11月にオープンした千葉駅前店だ。池袋本店より規模が大きく、施設は9階建て。延床面積は約2万5000平方メートルだ。専門店もいくつか入居し、9階のレストランフロアには、サイゼリヤとくら寿司がある。

 ビル1棟を開発することが多いヤマダデンキとビックカメラに対し、ビックカメラは商業施設や百貨店内のテナントとして出店することが多い。近年では三越日本橋本店への出店が話題となった。面積の都合上、店舗規模や品ぞろえは他の大型量販店より限られ、飲食店を併設する店舗も数少ない。

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