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えっ、イトーヨーカドーの文字が光るの? 「ハトグッズ」を通年販売にした理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月31日 6時10分

 ハンドタオルやトートバッグが人気のようだが、ここで問題をひとつ。「ハトが大きく描かれているデザイン」または「たくさんのハトが描かれているデザイン」どちらの商品が売れているのか。

 個人的な感想だが、「大きなハト」はイトーヨーカドー感が強く、「ハトがたくさん」はおしゃれな印象を与える。というわけで「『ハトがたくさん』のほうが売れているはず」と思っていたが、実際には「大きなハト」のほうが圧倒的に支持されているそうだ。

 いくつかのグッズがある中で、個人的に気になったのは「光る(特大)ハトロゴスタンド」(2万3980円)である。左側にハトをデザインして、真ん中にイトーヨーカドーの文字が並ぶ。アクリル製のスタンドで、サイズは縦20×横58センチ。そこそこ大きいので、部屋に置くと存在感が伝わってくる。

 インテリアとして買うの? 本当に購入する人はいるの? と思っていたら、しっかり売れているようで。単価が高いこともあるが、金額ベースで見ると、全アイテムの中で「1位」だそうだ。

 通年販売に切り替えたことで、今後は毎月、新商品を投入するという。今度は”光らない”ハトロゴスタンドの販売を予定していて、正式な発表があれば、再びハトマニアの間で話題になりそうである。

●ハトの魅力

 それにしても、なぜ企業ロゴをあしらった商品が売れているのか。個人的には、2つの理由があると思っている。1つは「懐かしさ」である。

 ご存じのように、ここ数年レトロブームが続き、昭和を感じさせるグッズがあふれている。お客からは「ハトのマークは懐かしいねえ。ちょっと買ってみようか」という声がよく聞かれるそうだ。一方、現場で働く人の受け止め方は違う。「えっ、これって懐かしいデザインなの?」と驚く声も少なくないという。

 もう1つは「企業ブランドへの親近感」である。お客との接点を増やすために、企業ロゴをデザインした商品はたくさんある。例えば、スターバックスのコップには人魚(ギリシャ神話に登場するサイレン)が描かれ、AppleのPCにはリンゴのマークが刻まれている。ファミリーマートの靴下は、看板のカラーを反映したデザインになっている。

 なぜ、お客は企業ロゴに興味をもつのか。ハトグッズを手にしたいという気持ちは、企業への親近感の表れではないだろうか。先ほど、大きなハトをあしらった商品がよく売れていると述べたが、オシャレさよりも企業ロゴを優先するのは、それだけブランドへの愛着を感じているからかもしれない。

 さて、他社の事例が豊富にあることを考えると、なぜイトーヨーカドーは「ハト」をもっと早くデビューさせなかったのか。創業100周年のタイミングは遅すぎるように思えるが、その点について「毎日のように現場で働いていると、企業ロゴについてじっくり考えることがなくて。ですが、お客さまから『かわいい』という声をいただき、改めてハトの魅力に気付かされました」(担当者)

 会社の業績は依然として厳しいが、赤・青・白のハトはどこまで飛び立つのか。売れ行きは“パタパタ”と羽ばたくかもしれない。

(土肥義則)

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