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孫正義氏、OpenAIと「AIエージェント」の覇権狙う キーワードは「独占販売」

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年2月8日 17時58分

 OpenAIは2024年、論理的推論が可能なAIモデル「o1」シリーズを公開した。このAIモデルは2025年、AIエージェントに進化するという。AIエージェントは、財務関連の資料作成や文書の作成、顧客の問い合わせ管理などのタスクを自動化する。ユーザーは戦略的な意思決定など、他の業務に時間を費せるようになるという。クリスタルにより、AIエージェントは、企業のニーズに適応する高度なシステム基盤を構築していく。

 孫氏はクリスタルをグループ全体に導入することによって、AIエージェントの普及を加速させる構えだ。OpenAIとの契約により、Armを含むSBGのグループ企業は、OpenAIが開発する最先端のモデルを日本国内で優先的に利用できるという。孫氏はクリスタルによって、日本のあらゆる産業に変革を起こしていく考えだ。

●OpenAIは技術で支援 ソフトバンクは営業を展開

 企業がAIを最大限に活用するには、データの追加学習やファインチューニングを行うことが必要不可欠だ。SB OpenAI Japanは、データの追加学習やファインチューニングを行う環境を構築する。孫氏はStargateの延長として、日本国内に推論向けのデータセンターを設置する構想も明らかにした。日本の導入企業が、安全な環境で社内のデータを学習させ、自社のシステムと連携したAIエージェントを構築できるようにするためだ。AIエージェント機能によって、企業はあらゆるタスクを自動化・自律化できるという。

 OpenAIは、SB OpenAI Japanに対して最先端のAI研究と技術面でサポートする。一方のソフトバンクは、エンジニアと営業を担う社員を配置し、国内のネットワーク、保守運用、強固な法人顧客基盤を生かして、営業を展開する。孫氏は「営業とエンジニア、導入のためのシステムインテグレーションを行う1000人体制の専任部隊を作る」と意気込む。

 Armは、AIエージェントにより増大する計算需要に対応するため、その(ソフトウェアの実装が行われるデータ環境である)コンピュートプラットフォームを通して、クラウドからエッジまで、必要なパフォーマンスを提供していく。日本での取り組みを通じて、世界規模でAI変革を実現するための基盤モデルを創出するという。アルトマンCEOは「ソフトバンクとのパートナーシップは、われわれのビジョンの実現を加速させ、日本を皮切りに、世界で最も影響力のある企業に革新的なAIを提供していく」と述べた。

 イベントではOpenAIのメンバーが、ChatGPTの新機能「Deep Research」のデモを披露した。インターネット上のテキストや画像などを検索して分析する機能で、アルトマンCEOによれば「これまで30日かかっていた調査が数分でできる」という。Deep Researchのデモだけでは、今後のクリスタルの威力を計るのは難しかったものの、孫氏はこれまでYahoo!やiPhoneなど世界最先端のテクノロジーを、日本市場に広く行きわたらせてきた。今後、AIエージェントをどこまで日本の大企業に取り入れさせられるか。孫氏の手腕に注目だ。

(アイティメディア今野大一)

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