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「ノンアル=お酒の代替品」から脱却へ サントリー、50億円投資の本気度 

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年2月6日 13時28分

 また、飲食店向けの業務用商品にも注力する。これまで飲食店向けとしてはオールフリーが主力商品だったが、今秋に新商品を発売予定だ。商品の詳細は非公開だが、オレンジジュースやコーラといった、さまざまな清涼飲料水と割って飲む、ベースとなるノンアルを想定している。

 ビールテイストやハイボールテイストといった既存の酒類をノンアルで再現する商品ではなく、ベースとなるノンアルに注力するのはなぜか。福本氏は「割材によって多彩なメニュー展開が可能になる。消費者は選ぶ楽しみ、飲食店はノンアルメニューが拡充できるといった利点がある」と説明する。

 その他、プロモーション施策にも力を入れる方針だ。大阪・関西万博を始め、音楽フェスや屋外イベントでノンアルコール飲料を販売する他、100万人規模のサンプリングを実施する予定だ。「まずはとりあえず1杯飲んでみてもらい、ノンアルコール飲料のおいしさや魅力を知っていただく必要がある」(福本氏)

●ノンアル、課題は身内にあり

 サントリーが展開するノンアルの看板商品である「オールフリー」からは、4月にサワーテイストの新商品「オールフリー クリア」を発売する。ビールテイストのイメージが強いオールフリーからRTDのような商品を発売する理由について、福本氏は「オールフリーのブランド力を、ビールテイスト商品だけにとどめておくのはもったいないと判断した」と説明する。

 「のんある酒場」「ワインの休日」も強化する。両商品は、お酒をつくってからアルコール分を取り除く、脱アルコール製法を用いて製造されている。福本氏によると、脱アルコール製法であることを伝えると、消費者の購入意向が高まる傾向があるという。「適当に混ぜてつくっていると思っていたが、お酒からつくっていることで印象が変わった」「こだわってつくられている、高品質なノンアルだと分かった」などの意識変化が起こり、購入に前向きになるからだそうだ。そのため、今後は製法を積極的にアピールすることで、需要拡大を図る。

 鳥井社長はノンアルコール飲料について、「課題は身内にあった」と話した。サントリー社内ではかつて「ノンアル市場は、そもそもそこまで大きくなるのか」「ノンアルはお酒の代替品にすぎない」という意識が強かったという。

 しかし、市場規模の拡大や適性飲酒の広がりを受け、「ノンアル市場は今後も拡大していくし、業界全体としても拡大させなければならない市場であると改めて感じた」(鳥井社長)という。商品ラインアップの拡充だけでなく、ノンアルをいつどのような場面で飲むのかといった「飲み方」の訴求にも力を入れる。

 サントリーは「オールフリー」を2010年に発売し、ノンアル市場に本格参入した。15年目の今年、打ち出す施策は消費者の支持を得られるか。

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