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NTTデータグループの動きに見る「ITサービス事業で注目すべき5つのキーワード」

ITmedia エンタープライズ / 2024年8月13日 17時0分

 そうした戦略の中で、中山氏が注力分野として挙げた4つの動きについて以下に紹介しよう。

 1つ目は、生成AIへの取り組み状況だ。中山氏によると、「ソフトウェア開発における生産性向上の取り組み状況として、2023年度は製造と試験の工程を中心に自社での生成AIツールの普及を進め、140件で適用し、7%の生産性向上を実現した。今後は両工程に限らず、プロジェクトマネジメントを含む全ての工程で生成AIの活用を進め、適用案件数を2024年度で200件、2025年度には400件に増やして20%の生産性向上を目指す」とのことだ。(図3)

 生成AIによってソフトウェア開発の生産性向上を図ることは、ITサービス事業にとって既に必須の取り組みとなっているが、注目されるのはプロジェクトマネジメントへの適用でどれだけ効果を上げられるかだ。プロジェクトマネジメントはプロジェクトに関するノウハウを結集する領域でもあるので、自動化率を高められれば、事業拡大に向けたインパクトは非常に大きいだろう。

●キーワードから探るITサービス事業の方向性

 2つ目は、データセンター事業の取り組み状況だ。中山氏はデータセンター事業が着実に拡大しているとともに、今後も旺盛な需要が見込まれることから積極的に投資を続けると説明した(図4)。

 同社のデータセンター事業については、2024年6月18日付で同社の代表取締役社長に就任した佐々木 裕氏に、記者会見の質疑応答で筆者が「勝算をどう見ているか」を聞いたところ、次のような答えを得た。

 「当社のデータセンターのお客さまは今、45%がエンタープライズ、55%がハイパースケーラーといった状況で、最近では特にハイパースケーラーの投資が非常に旺盛だ。そうした需要を取り込んで事業として順調に成長している。現在、この市場で世界第3位につけているが、今後も世界上位のポジションに居続けることが勝算につながると考えている。そのために、データセンターの構築および運用の技術をさらに磨きたい」

 データセンターについては特に生成AIの普及による需要拡大が見込まれる一方、電力消費量の急増による悪影響が懸念されている。同社がそうした対応で世界をリードする立場になることを期待したい。

 同時に、他のITサービス事業者やITサービスを利用するユーザーにとっても、データセンターをどう使っていくかというのは、これから一段とスマートな対応が求められるようになるだろう。

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