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ボタン一つで中学生でも依頼可能? “サイバー犯罪代行サービス”に要注意

ITmedia エンタープライズ / 2024年12月17日 7時15分

 DDoS as a Service的なネットサービスは、サイバー攻撃を目的としているということには一切触れられていません。多くの場合、それはWebサイトの過負荷試験のためであるとされています。しかし実態は同時に複数の端末から特定サーバへの通信を発生させ、DDoS攻撃ができるシステムを時間貸ししているものとなります。

 ランサムウェアグループでは分業化が進み、機能を分担することが多いですが、DDoS代行を利用するというサイバー犯罪者の多くは、高度なツールや高尚な思想を持つものではなく、単に腹立ち紛れで攻撃を実行するということが多い印象です。

 DDoS代行サービスで大きな影響が発生した事例はあまり聞きませんですが、それでもこれは立派な“犯罪”です。これも今なら、全世界の警察機構が協力して犯罪者を追い詰められることが、今回の発表で明らかになっています。

 子どもでも“サブスク”感覚でこのようなサービスに到達できてしまうということも、大人は知っておく必要があるでしょう。報道ではSNSや動画サービスからこれらのツールの存在を知ったということも書かれています。大人が子どもたちを犯罪に巻き込んでしまうのは、本当に悲しいことだと思います。

●サイバー攻撃よりも楽しいことがあると伝えるのが大人の役割

 ボタン一つで企業が右往左往する様子が見られる。かつ、自分は捕まらない――恐らく、そういった感覚で気軽に依頼できてしまうのがこのサービスの怖いところです。加えて、子どもならちょっとダークでかっこいい……そんなことも思っているかもしれません。

 しかしその実態は報道にある通りです。特に未成年に関しては、そんな攻撃よりも楽しく技術を追いかけられる場がある、ということが伝わるとうれしいと思っています。セキュリティの識者たちは「セキュリティキャンプ」を展開していたり、セキュリティ技術を使ったゲームとして「CTF」を実施していたりと、正しく楽しいセキュリティがあることをアピールしています。

 サイバー空間に限りませんが、私たちは「倫理観」を試されることが増えてきたように思えます。インターネットでは誰も見ていない、誰も自分を捕まえられないと考えるのは浅はかです。サイバー空間上でも人が人であるために、エシカルな行動を心掛けましょう。

筆者紹介:宮田健(フリーライター)

@IT記者を経て、現在はセキュリティに関するフリーライターとして活動する。エンタープライズ分野におけるセキュリティを追いかけつつ、普通の人にも興味を持ってもらえるためにはどうしたらいいか、日々模索を続けている。

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