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ドコモら、空飛ぶ基地局「HAPS」で直径100キロをエリア化 26年商用化を目指すも、実現には課題も

ITmedia Mobile / 2024年6月4日 0時2分

ドコモら、空飛ぶ基地局「HAPS」で直径100キロをエリア化 26年商用化を目指すも、実現には課題も

NTTドコモら4社は、HAPSの2026年度の商用化を目指すと発表した

 NTTドコモとSpace Compass、AALTO HAPS、エアバス・ディフェンス&スペースは無人航空機で携帯電話網をカバーする「HAPS」の商用サービスを2026年に日本国内で開始する方針を示した。実現すれば、HAPSの商用展開として世界初の事例となる。

 HAPS(高高度プラットフォーム)は、グライダーのような軽量な飛行機を雲のない成層圏に滞空させ続けて、通信サービスや地上観測サービスを提供するシステムだ。

 NTTドコモはHAPSの実現にあたり、NTTとスカパーJSATの合弁会社であるSpace Compassと協力。無人航空機の機体開発と運航パートナーとして、エアバス子会社のAALTOと提携している。

 今回の発表に合わせて、AALTOに対してドコモとSpace Compassが出資をすると発表している。みずほ銀行と日本政策投資銀行が参画するコンソーシアムを通じた出資となる。出資総額は最大1億ドルを見込んでおり、所定の条件の達成と規制当局の認可を前提として実施される。

●高度20キロを周回飛行、直径100キロをエリア化

 HAPSは翼が大きなグライダーのような無人航空機だ。AALTOが開発したZephyr(ゼファー)は横幅は25メートルと旅客機並みにあるが、重量は人間1人と同じ程度の75kgと軽い。通信機器や観測機器などのペイロードを載せて、高度20キロの成層圏を飛行する。

 HAPSは成層圏において、太陽光パネルからの電力供給を受けることで、昼夜を問わず飛び続けることが可能だ。ゆったりとした旋回飛行を繰り返しながら、1箇所に滞空することができる。

 HAPSは携帯電話の基地局として運用できる。ドコモらの実証実験によると、携帯基地局のリピーター装置を搭載して、100キロ圏内をカバーできるという。例えば富山湾上空にHAPS一基を飛ばすと、能登半島エリア一帯に携帯電話サービスを提供できることになる。

 同様の空から携帯エリア化するシステムとして、Starlinkに代表される低軌道衛星(LEO)がある。HAPSはLEOよりも低い高度を飛ぶため、アンテナが小さいスマホとの直接通信でもより高速な通信サービスが提供できる。地上の基地局につないでいるのと変わらない感覚で利用できるという。

 これにより、例えば携帯電話エリアの整備が困難な山間部や離島などに通信サービスを提供しやすくなる。また、大規模な地震が起こった際に、地上の基地局が復旧するまでの初期対応としてHAPSが活用できる。

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