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中国スマホが“とある場所”で「消しゴムマジック」を使えないワケ 実際に検証してみた

ITmedia Mobile / 2024年6月25日 17時15分

 機種によっては「89」や「64」といった数字を表示したスマホの画像を編集しようとしても弾かれた。「89」「64」は天安門事件の起こった日の「1989年6月4日」からとったスラングであり、中国では検閲対象になっている。中国では広く普及しているAlipayなどの決済アプリでも、この数字の並びの金額は送金できないといった強固な態勢が敷かれている。

 ただ、この挙動が確認できたものはHuaweiの機種のみで、これは各社が使用しているAIモデルの差が出ているように感じた。

 このような結果になるのは、「中国メーカーだから」とは限らない。Galaxy AIをアピールするサムスンも中国で販売する機種に関しては大きな仕様変更を強いられている。こちらも日本を含めたグローバル向けとは異なり、中国向けはBaiduのAIが採用されるなど、仕様が大きく異なる「ローカライズ」が施されている。

 そのため、将来的にオフライン環境で利用できる「オンデバイスAI」による画像編集が可能になったとしても、中国向けのAIで生成されるものは特定のシーンではうまく機能しない可能性が高いのだ。

●ある意味地域に根ざしたローカライズ 中国メーカーでも他国向け機種は問題なく動作

 中国のインターネットは各種検閲、情報統制などの関係で、先進国ながら「インターネットの自由度が低い」と評価されている。もちろん、このような国で販売されるスマートフォンはその影響を大きく受け、生成AIを用いる画像編集にも影響を及ぼしている。ある意味、地域に根差したローカライズと評価できる。

 また、今回試したメーカーのスマートフォンでも中国本土地域以外で販売される機種については、このような場所でも問題なく利用できる。今回紹介した例はあくまで「中国国内向けに販売される機種に限る」点は留意していただきたい。

 これは中国で販売されている機種とそれ以外の地域向けでは搭載されているソフトウェアが異なる事が理由だ。Huaweiやvivoは搭載されるソフトウェアが中国向けとそれ以外の地域では名称や仕様が異なり、Xiaomiも中国向けと日本を含めたグローバル向けでは異なるソフトウェアが採用されている。地域ごとに明確に分けられているのだ。

 その一方で、各種処理を行うサーバが中国国内にある場合は、表現にある程度制約がかかる可能性は否定できない。多くの場合、中国の検閲に意図的に引っ掛かるような画像のAI編集をしなければ、この表示にはたどり着かないので安心してほしい。

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