通信品質を磨いたら「auマネ活プラン」が好調で、金融事業にもプラス効果(課題もあり)――KDDI高橋社長が語る2024年度第1四半期決算
ITmedia Mobile / 2024年8月3日 6時0分
解約率上昇の背景には、SIM単体での契約があるという。SIM単体で契約したユーザーは、短期でキャリアを移動することが多く、「健全かどうかという話は置いておいて、それが影響して解約率が上昇している」と高橋社長は説明。SIM単体で契約したユーザーの流動性と共に、解約率の推移を注視していきたいとする。
ブランド別の通信ARPU(1契約当たりの収入)はauブランドで約3%、UQ mobileで約8%のプラスとなったという。auブランドでは機種変更時に使い放題プランに切り替える人が8割超となったこと、UQ mobileブランドでは新規契約時に中/大容量プランを選択する人が7割超となったことが、ARPUの“押し上げ”に貢献した。また、UQ mobileからauへ移行するユーザーが前年度同期比で約2.2倍になったことも、収益のプラスにつながったようだ。
●金融連携の「auマネ活プラン」も好調 ただし課題もあり
KDDIでは、通信サービスと付加価値サービスの連携強化も進めている。特に金融サービスと連携した「auマネ活プラン」は、7月に100万契約を突破するなど好調で、解約率が他のプラン(※3)と比べて約2割改善し、通信ARPUも約1割増となったという。
(※3)auマネ活プランではない「使い放題MAXプラン」シリーズ
auマネ活プランのユーザーは、「auじぶん銀行」の口座保有率が他のユーザーと比べて約4.8倍多いという。auじぶん銀行は、対前年度比で預金残高が53.3%増、住宅ローンの貸し出し残高も56%増で、住宅ローンの融資実行累計額も4.5兆円に達しているという。auマネ活プランの成長は、金融サービスのプラスにもつながっているようだ。
同プランは、auじぶん銀行だけでなく、auフィナンシャルサービスと共同で発行するクレジットカード「au PAY カード」にもプラスの効果をもたらしているという。一方で、同じ金融サービスでも「auカブコム証券」の利用は「大きく伸びている状況ではない」。2024年1月から「新NISA(少額投資非課税制度)」が始まったものの、口座開設数はそれほど伸びていないようだ。
auカブコム証券は「少し立て直しが必要」ということで、KDDIは共同経営パートナーである三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)との間で協議を進めているとのことだ。
●その他の経営上の取り組み
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