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楽天モバイルが楽天グループの“5年ぶり四半期黒字化”に貢献 モバイル単体の黒字化も目前か

ITmedia Mobile / 2024年11月14日 16時6分

 楽天モバイル単体では、売上収益が30.3%増の730億円、Non-GAAP営業利益は200億円改善の510億円の赤字、EBITDAは241億円の改善で100億円の赤字。2024年内のEBITDA単月黒字の目標に向けて順調に推移している。

 11月10日時点の契約数は812万回線で、MNO契約数は741万回線となった。MNOサービスの売上も42.2%増の431.8億円まで成長した。「短期的なポイント獲得目的のお客さま」(三木谷氏)が解約率を押し上げているため、それを除いた「真水の解約率」(同)は1.09%。ARPU(1ユーザーあたりの月間平均収入)は2801円で、目標の3000円に近づいていると三木谷氏。

 第3四半期は例年契約数の増減が落ち着く時期だが、「堅調だった」と三木谷氏は振り返る。楽天市場や楽天カード、楽天銀行といったグループサービスからの流入も多いという。家族向けのプログラムなどによって、「若年層は極めて好調」(同)という状況だが、「大きな課題でシニア層が少し弱い」と三木谷氏。これについても最強シニアプログラムを投入したによって、前年同月比で75%増の獲得となったそうだ。

●通信品質の改善も楽天モバイルの好調を後押し

 MNPも順調で、「好調の裏で通信品質が相当改善しており、満足してもらっている」と三木谷氏は胸を張る。さらなる改善に向けて、地下鉄や屋内、ビル間の路地、人混みといったエリアでの改善を図る。地下鉄では、東京メトロで帯域の20MHz化を進めており、従来の5MHz幅から40%まで拡大したという。2026年3月末までにはこれを100%にする予定だ。

 関東地方での5G出力強化で5Gへのトラフィック分散で人混みやラッシュ時の体感を向上させる、といった工夫や5Gネットワークの整備を進め、ネットワークカバレッジを拡大する。

 加えて、災害の停電時には遠隔制御で基地局を省エネモードにしてアップロード速度を抑えて基地局の予備電源を延命する技術を導入する。これによって通常は3時間程度の所、4~5時間まで延長できるという。

 「大きな戦略」(三木谷氏)として、AIも活用しつつネットワーク全体で最大20%のエネルギー節約も目指す。仮想化ネットワークだからこそできる取り組みとして、2025年以降本格展開する予定だ。

 衛星通信のAST SpaceMobileは、2024年9月12日に商用衛星「Block 1 BlueBird」5機を打ち上げ、アンテナ展開も完了した。これによって米国全土で通信ができることを確認したとのことで、2026年中に日本全域をカバーし、災害時でもつながるネットワークを実現する計画。「地理カバー率ほぼ100%を2026年に実現すべく、鋭意努力している」(三木谷氏)。

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