その言葉、“闇バイト”かも スマホ文字入力「Simeji」が警告機能 きっかけはSNSでの声
ITmedia Mobile / 2024年12月24日 10時5分
「Simeji(シメジ)」はキーボードのきせかえや予測変換などの機能を利用できるアプリ
中国の検索エンジンBaidu(バイドゥ)は文字入力アプリ「Simeji(シメジ)」(Android/iOS)に“闇バイト”対策の機能を実装した。闇バイト関連の文字を入力すると、キーボードの上部に注意喚起の文言が表示される。近年、闇バイトによって強盗事件や特殊詐欺などの片棒を担がされ、罪に問われる事例が増えている。Simejiの闇バイト対策機能とは一体どのようなものか、実装の背景は何かなどを、Simejiの運営責任者である古谷由宇氏に聞いた。
●Simejiはもともと純国産の個人開発アプリ
Simejiはエンジニアの足立昌彦氏とデザイナーの矢野りん氏の2人が開発した純国産アプリ。この前身のサービスは2008年11月に始まり、当初はAndroidスマートフォンのみに対応していた。そして2011年12月にはバイドゥが全事業を取得した。
バイドゥが事業を引き継いで以降、クラウドを介して変換候補を予測する機能や、辞書に登録された顔文字や絵文字などを充実させ、2014年9月にはiOSにも対応し、AndroidのスマートフォンだけでなくiPhoneでもSimejiで文字入力を行えるようになった。
2017年6月には音声入力へのAI活用を発表。バイドゥの音声認識(Speech recognition)分野のAI技術を音声入力に、自然言語処理分野のAI技術を句読点などの配置に活用した。音声入力内容から顔文字、絵文字を予測し変換候補を提示する機能も実装した。
●闇バイト対策機能、なぜ実装? 実は高校生と共同開発した機能を流用
闇バイト対策の機能はSimeji公式Xアカウントが10月23日に発表したもので、特定のキーワードの入力で注意喚起を出す機能だ。具体的には「こうがくばいと」「ほわいとあんけん」「きんけつ」「げんきんぷれぜんと」「そくじつそっきん」を入力するとキーボードの右上に、「闇バイトに巻き込まれる事案が増えております。ご注意ください」と警告文言が表示される。12月20日時点では「うらばいと」「にうけ」「らくしてかせぐ」「こうがくほうしゅう」が追加されている。
どのような経緯で実装に至ったのか。古谷氏は「大学生の男性が逮捕されたこと、そして、逮捕された本人は闇バイトの自覚がなかったことがメディアに大きく取り上げられたことがきっかけだったと記憶しています」と前置きした上で、「若い子たちが高額なバイトをSNSで探しているような投稿がいくつか散見されました」という。
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