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「通信が安いだけの国でいいのか?」「PayPayはまだ『一合目』」 ソフトバンク宮川社長が語る好調と不安

ITmedia Mobile / 2025年2月11日 0時5分

●金融事業はPayPayに寄せることでさらなる成長を目指す

 PayPayを主軸とするファイナンス(金融)事業では、連結売上高1837億円(前年同期比+18%)を達成。GMV(決済取扱高)は11.3兆円(+23%)と大幅成長を継続し、連結EBITDA(利息/税金支払いと各種償却前の利益)は353億円で2年連続の黒字を達成。営業利益も四半期ベースで3期連続黒字となり、黒字定着が鮮明だ。

 宮川社長は「PayPayはまだ『一合目』で、これからさらに登っていく余地がある」と表現する。PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)やPayPay証券を2025年4月付けでPayPayの直接子会社化するなど、グループの金融サービスをPayPay傘下に集約していく方針だ。

 「(金融サービスについて)『複雑な資本構成や複数ブランドが混在していて分かりづらい』と、投資家の皆様に言われていた。PayPayに集約することで決済と金融サービスをシームレスに強化し、さらなる成長を目指す」(宮川社長)

 宮川社長はPayPayについて「IPO(株式の新規上場)は考えているが、まだ“改造”する余地がある。PayPayは決済に関して相当いいポジションにいるが、これは『1階建て』の部分だけ。『2階建て』『3階建て』の部分をしっかり作ってから次のステージに行きたい」と説明。「競合他社との比較ではなく、PayPay自身がまだ登りかけた山の一合目くらいの気分。山頂まで色々な知恵を使って、PayPayがやりたいことを全て完成させた上で親離れをしてもらいたい」と展望を示した。

●自律型AI「Cristal」をソフトバンクはどう扱うか?

 ソフトバンクといえば、2月3日に親会社であるソフトバンクグループ(SBG)と共同で米OpenAIと提携することを発表した。合弁企業「SB OpenAI Japan」を設立し、次世代AIソリューション「Cristal(クリスタル)」の日本企業向け独占販売権を得る。SB OpenAI JapanはソフトバンクはSBGと共同で設立する中間持株会社とOpenAIで折半出資となる。

 OpenAIのソリューションに対して、SBGは年間30億ドル(約4500億円)を支払う契約となっているのだが、子会社であるソフトバンクは「Pay for Use(従量制)」負担となっている。その理由について宮川社長は「収益が上がる構造と紐付いた支払い(方法)となり、得るものはあっても失うものはない契約を目指した」と説明する。OpenAIへの支払いは一旦SBGの子会社が受け取り、グループ会社における改造/開発費として流れる仕組みだという。

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