モーツァルトの新曲をAIで再現 高校生とクリエイターがタッグ 狙いは「若者にテクノロジーの理解を」

ITmedia NEWS / 2019年6月20日 7時5分

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 歴史上の著名な作曲家が現代で新曲を作ったらどうなるか。そんな夢を実現するプロジェクトが、「インターネット・マーケティングフォーラム2019」(6月4~5日、ANAインターコンチネンタルホテル東京)で披露された。AI(人工知能)にモーツァルトの楽曲を学習させて、モーツァルトらしい楽曲の特徴を捉えた新曲を生み出そうという試みだ。

 PCメーカー・日本HPのサポートのもと、高校生とプロクリエイターがタッグを組んだ数カ月がかりの本プロジェクトには、「AIによるモーツァルトの復活」「イマーシブオーディオ」「8K映像とリアルタイムレンダリング」という注目ポイントがある。

●AIによるモーツァルトの復活、イマーシブオーディオの挑戦

 AIによる自動作曲には、米Googleが開発した作曲AI「Magenta」を使った。モーツァルトの楽曲から抜き出したメロディーをMIDIファイルにして読み込ませ、AIに機械学習させた。MIDIファイルは音程や音の強弱、長さ、音色などの演奏情報が含まれるため機械学習に適しているという。

 この工程を都内の高校に通う18人の高校生たちが担当。4つのチームに別れたメンバーは、どの楽曲を、何回学習させるかといった試行錯誤を繰り返した。参加者の一人である開成高等学校の中澤太良さんは「作曲のために作られたAIであっても、思ったように動かすことが難しかったです。AIは発展途上の技術で奥深い分野だと感じました」と、ほぼ初めてAIに触れた感想を話す。

 高校生たちがAIを使って生成したメロディーをもとに編曲を行ったのは、作曲家や音楽プロデューサーとして活躍するマリモレコーズ代表取締役の江夏正晃さんだ。江夏さんはAIが生成したメロディーはそのままに、複数のシンセサイザーなどを活用して現代風の音楽へとアレンジした。

 プロジェクトの中で、AIによる歌詞の生成も行った。モーツァルトが実際に書いたとされる多数の手紙と、過去から現在までに世に出たヒット曲の歌詞を学習データとして組み合わせ、生成された歌詞をボーカルとして曲に乗せた。

 完成した楽曲は再生環境にもこだわった。今回発表を行った会場には、12個のスピーカーを円を描くように設置し、球体の中で音を聴いているようなイマーシブオーディオ(立体音響)環境を用意。記者が実際に聞いてみたところ、音が下から上に移動するような没入感のある体験が得られた。

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