“2年縛り”続けるau 「実質的な囲い込み」という指摘も

ITmedia NEWS / 2019年9月12日 22時55分

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KDDI取締役執行役員専務の東海林崇氏(コンシューマ事業本部長)

 新型の「iPhone 11」シリーズが発表され、各キャリアが打ち出す料金プランや端末割引施策に注目が集まっている。

 KDDIは9月12日、スマートフォンの機種代金を最大半額にする「アップグレードプログラムDX」を10月1日から提供すると発表。10月に改正電気通信事業法が施行され、回線契約と端末のセット販売が制限されることを受けたもので、ソフトバンクも9月9日に同様のサービスを発表した。法改正には、各キャリアによる過度な「囲い込み」を抑制する狙いがある。

 いずれも割賦販売のため、購入した端末は100日間のSIMロックがかかる。各キャリアは「通信プランへの加入は必須ではない」「他キャリアのユーザーも対象」と囲い込みを否定するが、100日間は該当するキャリアもしくはそれに属するMVNOの通信プランを契約するか、Wi-Fi接続で乗り切る必要がある。実際に他キャリアのユーザーが利用するにはハードルが高いサービスといえる。

 また、ソフトバンクは新料金プランで期間拘束と解約金を廃止したが、KDDIの新料金プランでは2年以内に契約を解除すると解約金が発生する“2年縛り”のプランが残っている。

 こうした背景もあり、KDDIが9月12日に開いた発表会では「(こうしたサービスの提供は)実質的なユーザーの囲い込みではないか」という批判の声が記者から上がった。

●「法令違反ではない」がルール見直す可能性も

 記者からの指摘に対し、KDDI取締役執行役員専務の東海林崇氏(コンシューマ事業本部長)は「これは通信とはひも付いていない端末の販売。法令違反とは思っておらず、むしろ(総務省が要請する)ルールにのっとった形でやっているという認識」と語気を強めた。「解約金を1000円に値下げする」「2年契約プランとその他のプランの価格差を月額170円に抑える」といった施策も、総務省からの要請を受けて対応したものだ。

 「(KDDIは)端末を割賦販売しているので、端末の詐取や不正防止のためにSIMロックは必要。今後ルールが見直されればそれに従う」(東海林氏)

 確かにSIMロックの“100日ルール”は不正防止の役割を担っているが、通信料金と端末代金の分離が求められる今では、自由に端末やキャリアを選びたいユーザーの足かせにもなり得る。法改正の本来の目的を考えると、総務省が現状のルールを見直す可能性も考えられるだろう。

 また、iPhone 11シリーズは9月20日の発売だが、KDDIのシステム対応が間に合わず、アップグレードプログラムDXの提供は10月1日から。それまでに半額免除を受けたい場合は、auユーザーのみを対象にする従来の「アップグレードプログラムEX」を利用する必要がある。

 発表会では、新料金プランについても厳しい追及を受けた。さまざまなユーザーのニーズに応えるため、KDDIはデータ利用量に合わせて6種のプランを設けたが、「料金プランが多いとユーザーにとって分かりにくいのでは」という指摘があった。

 これに対し、東海林氏は「料金プランの名前などが分かりづらいのは本当に申し訳ない。新しい法令の料金と識別するためにプラン名に『N』を付けており、今は過渡期的な名前の付け方だと思ってもらいたい」と回答。消費者のことを考え、各キャリアが総務省の要請に応じているものの、各種サービスや料金プランについてはまだ改善の余地があるといえそうだ。

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