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英国の宝くじ「ロト」は27枚買えば“必ず当たる” 英数学者が23年に発見 その方法とは?

ITmedia NEWS / 2024年6月20日 10時4分

英国の宝くじ「ロト」は27枚買えば“必ず当たる” 英数学者が23年に発見 その方法とは?

英国の宝くじ「ロト」は27枚買えば“必ず当たる” その方法とは?

 英マンチェスター大学に所属する研究者らが2023年7月に発表した論文「You need 27 tickets to guarantee a win on the UK National Lottery」は、イギリス国営宝くじで毎回必ず当たる27枚の宝くじの組み合わせを発見した研究報告である。

 イギリスの宝くじ「ロト」は、1~59までの数字から6つを選び仕組みで、1枚2ポンド(約400円)で販売している。6つの数字がランダムに抽選され、2つ以上の数字が一致すると当選。可能な数字の組み合わせは4500万通り以上あるが、数学者らは27枚の特定の宝くじを購入すれば、少なくとも2つの数字が一致する当選が保証されることを発見した。

 この研究は「有限幾何学」と呼ばれる数学の分野に基づいている。当たる宝くじの特定方法は、1~59までの数字を5つの幾何学的図形のうちの1つの点に2つ、または3つずつ配置し、その図形内の直線に基づいて宝くじの番号を生成するという手法だ

 5つの図形には合計27本の直線があり、その番号を使って27枚の宝くじを購入すれば、2つの数字が一致する全ての当選の組み合わせをカバーできるという。ただし、27枚の宝くじを購入するには54ポンド(約1万800円)かかる。2つの数字が一致しただけの場合、その賞金は約2.53ポンド(約506円)のため、必ずしも利益が出るとは限らない。

 研究チームは、27枚の宝くじで当選を保証できることを証明するのは比較的簡単だったが、26枚では不可能であることを証明するのが非常に難しかったと述べている。26枚で不可能であることを検証するには、宇宙の原子の数よりも多い10の165乗もの計算が必要だという。

 この問題を解決するために、研究チームは1970年代にフランスで開発された「Prolog」という論理プログラミング言語を使用した。従来のコンピュータ言語では、コーダーが機械に何をすべきかを適宜指示するが、Prologは問題に関する既知の事実のリストを取り、それが解決可能かどうかを自ら推論する。

 Source and Image Credits: Cushing, David, and David I. Stewart. “You need 27 tickets to guarantee a win on the UK National Lottery.” arXiv preprint arXiv:2307.12430(2023).

 ※ちょっと昔のInnovative Tech:このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。通常は新規性の高い科学論文を解説しているが、ここでは番外編として“ちょっと昔”に発表された個性的な科学論文を取り上げる。X: @shiropen2

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