ニッチだが奥深い「映像伝送」の歴史 アナログからデジタルまでの変遷を総ざらい
ITmedia NEWS / 2024年6月20日 16時25分
プロフェッショナルから業務にかけての映像伝送方法は、アナログからデジタル、そしてIPと進化してきたが、それらは世代によって入れ替わっていったわけではなく、現場によっては今のなお混在した状態にある。特に文教では今でもアナログ機材が稼働しているケースもあり、若い人にとっては見たこともない端子に面食らう事もあるだろう。
今回は永久保存版、というほどではないが、アナログからデジタルまでの映像伝送の方式を振り返りながら、その発展の過程をまとめてみたい。なお筆者の専門はポストプロダクションであるため、カメラからの直接伝送ではなく、主にVTR等の記録装置からの伝送システムの例を中心にお話ししていく。
●アナログ伝送時代
VTRの歴史をさかのぼると、最初は2インチVTRということになるわけだが、当時の伝送方式はアナログ・コンポジットしかない。
アナログコンポジットは、プラス・マイナスを配した1本のケーブルで伝送できるのがメリットであり、この「映像1つに1本ケーブル」は、のちの映像伝送の基準となった。現在もなお使われているBNCタイプのコネクターはいつ頃から使用されているのか、はっきりした資料はない。
1970年にAmpexが初のコンシューマー向けビデオレコーダー「InstaVideo」を発売したが、カメラとの接続はもっと大型の端子が使用されていたようだ。
あいにく筆者はこの形状の端子を実際に使ったことがなく、名称が分からないが、筆者よりも年長の技術者ならご存じだろう。
ソニーは1976年にヘリカルスキャン方式の1インチVTR、BVH-1000を開発、2年後に発売したが、この頃にはすでにBNC端子が使用されていた。
コンシューマー用に開発され、のちにプロでも使用されたUマチック VTRは、3/4インチ幅のカセット型テープを使用するため、輝度と彩度を分けて記録する、Y/C分離方式となった。この方法論はのちに、S-VHSの伝送方式として「S端子ケーブル」となるわけだが、Umatic VTRはアナログ・コンポジットシステムへの互換性を重視して、コンポジットケーブルで運用された。
潮目が変わったのが、ソニー「ベータカム」の登場以降である。ベータカムの記録はY/B-Y/R-Y という色差方式で、カメラからのRGB出力にマトリックス変換をかけて信号量を減らし、伝送する。記録する際にはさらにB-Y/R-Yを時間圧縮する。つまり2フレームに1回しか記録しないのである。
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