1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

薄味カレーのうま味倍増! キリン「エレキソルト」は“塩味増強”だけじゃない ~体験レポート

ITmedia NEWS / 2024年6月23日 7時0分

 「19年からのリサーチでは、減塩中の人がダントツで食べたいものがラーメンという結果でした。あとはお味噌汁などの汁物。これら汁物は体積が大きいため塩分が分散しやすく、減塩しながらおいしく調理することが難しいメニューなんです。そのため『食べること自体を控えましょう』となってしまいがちで、結果としてニーズが高いメニューです。そしてエレキソルトデバイスは、電気を流す技術なので、水分が多いほうがデバイスによる塩味の増強を体感しやすいんです」(佐藤さん)

●塩味だけでなくうま味もアップ

 早速、エレキソルト スプーンを試してみた。本体サイズは幅約250×奥行き38×高さ25mmで、約60g(電池含まず)。電池や電気回路などが入るため持ち手は太くなっている。持ち手の背面とスプーンのくぼみに電極があるため、背面の電極に触れるように持つ必要がある。あとは電源スイッチを入れてランプが点灯すれば準備はOK。なお電流の強度は4段階で設定できる。

 実際に無塩カレーを食べてみた。トマトの酸味や甘味などで構成された塩分不使用のレトルトカレーだったが、エレキソルト スプーンで食べると、うま味がワンランクアップしたように感じられた。そして電源をオフにすると、おいしさは明らかに半減した。

 さらにカレーへわずかな塩を振って食べ比べてみると、さらなる違いに驚かされた。もともとの無塩カレーのおいしさを1とすると、エレキソルト スプーンで食べると感覚的には3になる。塩を振ってスプーンを使わずに食べると5ぐらいになり、エレキソルト スプーンで食べると10になるような味わいの変化があった。

 試食したカレーはもともと塩分がないが、エレキソルト スプーンを使うと食材に含まれるうま味部分だけがわずかにアップするイメージ。それに対して塩を入れたカレーはその塩味が一気に強調され、スプーンを使うとカレーの完成度が数倍に膨らむイメージだ。

 実際に使ってみて発見したのは、強くなるのは塩味だけではないこと。味の輪郭がはっきりするため、甘味やうま味も強くなったように感じられた。これなら減塩メニューもよりおいしく食べられそうだ。

 さらにエレキソルト スプーンは4段階で電流値を調整できるため、だんだんと下げて行くことでゆっくり減塩食に慣れる、といった使い方もできる。

●電気味覚デバイスの今後の展開に期待

 エレキソルト スプーンはこれまでさまざまな実証実験を重ね、自治体やさまざまな企業での評価を経て、社会的課題に貢献できるという評価を得たことで発売が決まった。発売する前はどれぐらい売れるか読めないというのが社内的な評価だったそうだが、実際は抽選販売になるほどの大人気となった。今後は、製造を委託している協力メーカーとともに順次、製造販売を行っていく予定だ。

 さらに今後の可能性も広がっている。すでに研究開発が進んでいるお椀型やお箸型などへの展開や、塩味以外への応用も考えられる。

 「海外ではダイエットを目的にした製品もありますし、電流によって炭酸感を増す研究をされている大学の先生もいますし、甘味を再現しようとしている先生方もいます。今、電気味覚の研究領域ではいろんな味の再現しようという取り組みがされていますが、現在のエレキソルト スプーンは、減塩食の味わいを増強する電流波形を搭載しているということなんです」(佐藤さん)

 さらに将来的には、スマートフォンアプリから“増強したい味”を選んでそれをデバイス上で再現するといったことも考えられる。エレキソルト スプーンは、そんな夢のデバイスにつながる第一歩なのだ。

(コヤマタカヒロ)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください