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脳波からeスポーツの勝敗を“約80%の精度”で予測可能に? NTTが世界初発見

ITmedia NEWS / 2024年7月18日 18時51分

脳波からeスポーツの勝敗を“約80%の精度”で予測可能に? NTTが世界初発見

脳波からeスポーツの勝敗を“約80%の精度”で予測可能に?

 NTTは7月18日、eスポーツ対戦直前の脳波に、勝敗と強く関わるパターンが存在することが分かったと発表した。脳波データから、直後の試合結果を約80%の精度で予測することにも成功。将来的には、脳波データを使って個人のメンタル状態を調整する方法の確立も期待できるという。同社は世界初の発見としている。

 研究チームは、試合の勝敗と関連する脳波パターンを調べるため、格闘ゲームの熟練者同士が、実戦と同じ2ラウンド先取制で試合をしている最中の脳波(EEG)を計測。eスポーツ選手が試合に臨む際、理想的な精神状態がどのような脳波パターンから生じるか調べた。

 調査したのは、目標達成のための最善の方法を選ぶ能力「戦略判断」、そして自分の感情を意識的に調整し、適切に表現する能力「感情制御」に関する脳波パターンと勝敗の関連。NTTによれば、戦略判断と感情制御はeスポーツにおいて重要な能力だと分かっていたという。特に第1ラウンドの直前には戦略判断が、第3ラウンドの直前には感情制御の重要性が高いことが、プレイヤーへのアンケート調査で判明していた。

 そこで第1、第3ラウンドの直前に、戦略判断と感情制御に関わる脳波パターンと勝敗の関連を調べた。結果、戦略判断に関わる左前頭脳領域の「γ波」(脳波の一種で、30Hz以上の高周波)が試合の序盤(第1ラウンドの直前)に増大しているときと、感情制御に関わる左前頭脳領域の「α波」(脳波の一種で、7~13Hzの低周波)が試合の終盤(第3ラウンドの直前)に増大しているときに、それぞれ試合に勝ちやすいと判明した。

 その後、試合直前の脳波パターンから試合結果をどの程度予測できるかを検証するため、機械学習モデルを構築。検証を進めると、試合の勝敗を約80%の精度で予測できると分かった。また、実力が拮抗した試合と番狂わせが起きた試合の勝敗予測についても、約80%の精度で予測できたという。

 NTTは「この研究は勝負事に臨む際の理想的な脳状態の存在を示しており、人々がさまざまなシーンでプレッシャーに対処するための重要なヒントを与える」と説明。脳を意識したメンタルケアというアプローチによって、スポーツや医療、教育現場など複数のシーンでのパフォーマンスを向上させる技術の実現を目指す。

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