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「AI幹事」飲食店に大ウケ──開発者が明かす、誕生のきっかけと想定外の反響 人とAIの新しい関係は居酒屋で始まる?

ITmedia NEWS / 2024年7月21日 16時10分

 AI幹事がこれほどの注目を集めた理由は、まさにタイミングといえるでしょう。生成AIは便利さやすごさで語られ続けてきました、AI幹事は生成AIの利用方法として、ユニークなものです。

 また、飲食店、お客さん、開発元にとって、いわゆる三方よしとなっていることも広く注目された理由です。AI幹事がいることで、飲食店は注文のチャンスが増えますし、お客さんは追加注文のために場を乱すこともありません。開発元にとっても、新しいビジネスチャンスとなります。

 武地さんは「『AIと飲みたい』という単純な欲求が、こんなにも多くの人の共感を得るとは思いませんでした。技術の進歩と人々の想像力が結びついた瞬間を目撃しているようです」と話してくれました。

●AI幹事は何をしてくれる?

 では、ここでAI幹事が実際に何をしてくれるのか、確認しておきましょう。

 まず、AI幹事はカメラを使って常にテーブルの状況を把握しています。グラスが空になりそうになると、さりげなく「そろそろ飲み物を追加しませんか?」と提案します。この機能により、客は店員を呼ぶ手間が省け、会話の流れを中断することなく注文できます。

 さらにAI幹事は、会話の内容や雰囲気を読み取り、適切なタイミングで料理を提案することもできます。話が盛り上がっているときは控えめに、話題に詰まったときは新しい料理の提案で場を和ませこともできます。

 この取材時、実際に飲み物と食べ物を置いて、乾杯したり、飲んだり食べたりしながら、話をしていました。この会話の中にAI幹事が声をかけてくれるのが、ちょうどいい距離感でした。

 例えば、AI幹事が声をかけてきても、話を進めたければ無視すればいいだけです。これが人に声をかけられると、話が止まってしまうでしょう。

 タブレットで注文するのともまったく違う体験です。AI幹事は、なぜか人をニヤニヤさせる絶妙な存在感があります。

 これまでの飲食店のDXというのは、基本的に「人がやってもいいこと」でした。対して、AI幹事がやっていることは、「人がやったら少しイヤミな感じになってしまうこと」です。

 今後の発展次第では、お客さん個人の好みや過去の注文履歴を学習し、パーソナライズされたおすすめを提供することも可能でしょう。「前回はこの料理が好評でしたが、今回も試してみますか?」といった提案も可能になります。

●SF映画にしかなかった「AIと酒を飲む」を実現

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