全生命の共通祖先「LUCA」、地球形成からわずか約3億年後に誕生していた？ 英国などの研究者らが発表

　この生態系は、微生物が水素を利用してメタンを生成し、そのメタンが大気中で光化学反応により再び水素に変換され、その水素を微生物が利用するという循環によって維持していたと考えられる。このサイクルにより、初期の生態系は安定して存続できた。

　さらに、研究チームの推定によると、LUCAは紫外線ダメージから身を守る遺伝子を持っていたと考えられ、LUCAがウイルスと戦うための細菌防御システムの原始的なバージョンを持っていたことも示唆されている。

　Source and Image Credits: Moody, E.R.R., Alvarez-Carretero, S., Mahendrarajah, T.A. et al. The nature of the last universal common ancestor and its impact on the early Earth system. Nat Ecol Evol（2024）. https://doi.org/10.1038/s41559-024-02461-1

　※Innovative Tech：このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」（シームレス）を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。X： ＠shiropen2