1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

「FIRE」する人が増えたら社会はどうなる? 労働力はAIでまかなえるのか

ITmedia NEWS / 2024年9月19日 17時32分

「FIRE」する人が増えたら社会はどうなる? 労働力はAIでまかなえるのか

 「FIRE」(Financial Independence, Retire Early)という生き方は、2017年頃から米国で話題になり始めた。早期に人生所要金額を稼ぎきってしまい、さっさと退職してあとは好きなことをして自由に暮らす、というライフスタイルである。

 もともと米国は、長期休暇中はキャンピングカーで野山で暮らすとか、リタイアした夫婦が家を売り払って豪華客船で世界中を巡るとか、日本人には想像も付かない生き方をする人達が一定数実在しており、FIREも現実にあり得る話だろう。

 一方日本でも2019年ぐらいからそうした生き方を理想とする人達も出てきており、どうやれば実現できるのか、さまざまな試行錯誤が行われているところである。

 2023年5月にAlbaLinkが労働者500人を対象に調査した結果によれば、FIREしたいと考える人は全体の78%にものぼる。

 その理由としては「仕事・会社から解放されたい」「時間を自由に使いたい」「好きなことをして暮らしたい」「面倒な人間関係から解放されたい」といった願望が並ぶ。ここから垣間見えるのは、仕事に対してのやりがいを見いだせず、本来のやりたいことを犠牲にしてただひたすら生きていくために労働力を提供しているという姿である。

 とはいえ、FIREはあくまでも願望であり、実際に実現する人はごくごく少数だろうと考えられてきた。だが、その願望はある程度実現可能ではないかとするレポートが登場した。

●独身なら可能ではないか

 みずほリサーチ&テクノロジーズが8月29日に公開した、「単身世帯化の日本経済への影響」というレポートがそれである。単身世帯、つまり結婚しない人は人生所要金額が低いため、比較的FIREを実現しやすいのではないか、そうなると社会はどうなるのか、といった予測を行ったものだ。

 「世帯」とは、経済的に独立した1つの単位である。親と暮らす子供時代は、親の世帯の一員であるわけだが、経済的に独立して一人暮らしを始めると、それで1世帯増えるという事になる。単身者同士が結婚して所帯を構えると、2世帯が1世帯にまとまるので、減ることになる。

 日本は人口減少に向けて一直線に進んでいる状態だが、総世帯数は増えている。つまり子供が大人になって経済的に独立することで単身世帯がどんどん増える一方、結婚しないので世帯数が減らない、というわけである。この傾向は、団塊の世代が平均寿命に到達する2035年頃まで続くと見られている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください