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会話中の“スマホいじり”、結婚生活に悪影響 トルコの研究者らが23年に発表 既婚者700人に調査

ITmedia NEWS / 2024年10月21日 8時5分

会話中の“スマホいじり”、結婚生活に悪影響 トルコの研究者らが23年に発表 既婚者700人に調査

会話中の“スマホいじり”、結婚生活に悪影響 トルコの研究者らが23年に発表

 トルコのニーデ・オメル・ハリスデミル大学に所属する研究者らが2023年に発表した論文「The mediator role of effective communication skills on the relationship between phubbing tendencies and marriage satisfaction in married individuals」は、会話中にスマートフォンを触る行為「ファビング」が結婚満足度に与える影響と、その関係における効果的なコミュニケーションスキルの媒介効果を調査した研究報告である。

 ファビング(Phubbing)とは、”Phone” と “Snubbing”(冷たくあしらう) を組み合わせた造語で、対面での会話や交流の最中に、スマートフォンに注意を向けて相手を無視する行為を指す。

 調査はトルコに住む712人の既婚者を対象に実施。参加者の内訳は女性と男性がほぼ半数ずつで、平均年齢が37歳であった。データ収集には結婚満足度尺度、ファビング尺度、効果的コミュニケーションスキル尺度を使い、分析にはピアソンの相関分析と媒介分析を利用した。

 分析の結果、ファビング行動は結婚満足度に負の影響を与えることが明らかになった。これは、スマートフォンに過度に注意を向けることで、配偶者とのコミュニケーションや親密さが損なわれることを示唆している。また、効果的なコミュニケーションスキルとファビングの間に有意な負の相関を確認した。これは、コミュニケーションスキルが高い人ほどファビング行動が少ない傾向にあることを意味している。

 さらに、これらのコミュニケーションスキルは結婚満足度と有意な正の相関を示した。つまり、効果的なコミュニケーションスキルを持つ人ほど、結婚生活に満足している傾向が強いことが分かった。

 特に注目すべき点は、媒介分析の結果である。ファビングが結婚満足度に与える直接的な負の影響は、効果的なコミュニケーションスキルを介在させることで有意でなくなった。

 このことは、コミュニケーションスキルがファビングと結婚満足度の関係を完全に媒介していることを示している。言い換えれば、ファビング傾向が高くても、効果的なコミュニケーションスキルがあれば、結婚満足度の低下を防ぐことができる可能性があるということである。

 具体的には、自我発達的言語(相手の自尊心を高める言葉かけ)、効果的な傾聴(相手の話をしっかりと聞く能力)、共感(相手の感情を理解し共有する能力)、自己開示(自分のことを適切に表現する能力)、私メッセージ(自分の感情や考えを「私は~」という形で伝える能力)などのスキルが重要であることを示唆した。

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