積もる前に動き出す「除雪ドローン」の仕組みと狙い
ITmedia NEWS / 2024年10月29日 8時35分
エバーブルーテクノロジーズの「SRD-F11RC」
東京モーターショーから、昨年生まれ変わった「Japan Mobility Show」。今年は、モビリティ関連企業と次世代を担うスタートアップのビジネスを創発する「Japan Mobility Show Bizweek 2024」として開催されました。そのスタートアップのブースの中で、ITとエレクトロニクスが融合した展示をしていたのがエバーブルーテクノロジーズです。
それほど広いとはいえないブースでしたが、その中では、「除雪ドローン」の新型である小型・無人除雪機の「Fシリーズ・SRD-F11RC」が実際に動いていました。
エバーブルーテクノロジーズは、元々は水上ドローンのスタートアップ。その水上ドローンでの実証実験も含めた約6年の技術を陸上に展開したのが、この除雪ドローンです。
水上で自動運転できるのであれば、陸上でもできますよというのはいわれてみれば、その通りです。なにしろ、基本的に海の方がモビリティの移動は難しいですから。でも、水上ドローンの技術が除雪ドローンにつまっていると聞くと、技術というのは、実に面白いものですね。
今回、展示された除雪ドローン「SRD-F11RC」は、豪雪地帯のニーズで設計され、厳しい冬でも無人での除雪作業を実現するモビリティです。実機の姿を見て、少し小さいかな? と思った方、大正解です。この除雪ドローンは「雪が積もったら動かす」のではなく、「雪が降り出したら積もる前に除雪する」という考え方で設計されているのです。
家の中にいるままで、窓の外の除雪ドローンを使って除雪作業ができてしまうわけです。しかも最小回転半径は0.6mですから、その場でくるっと方向転換できます。
ただ、雪が積もっている冬の外で遠隔操作で動かすということはそんなに簡単なことではありません。地面が凍ってしまったりするでしょうし、そもそも多少の段差ぐらいで動かなくなってしまっては困るわけです。
そこで、SRD-F11RCは1000Wのパワーを持つ4モーター4輪駆動を採用。さらにローリング・リジッド・フレームと呼ばれる車体のおかげで、常に4輪が接地することができるため、20cmの段差や斜度30度の法面(盛土などで作られる人口的な斜面)でも安定した走行を実現しています。
さらにワンボックス車も牽引できるほどのパワーを持っています。つまり、オフロードを前提とした設計となっているわけです。もちろん、電動駆動システムです。
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