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生成AIも予見? 楳図かずおさんに聞いたAIの話 「人間が人間を作ろうとしているだけ」

ITmedia NEWS / 2024年11月18日 12時52分

 作中では、主人公の小学6年生・悟(さとる)とヒロインの真鈴(まりん)が、町工場の産業用ロボットにたくさん言葉を覚えさせる。するとある日、コンピュータが意思を持ち、世界中のコンピュータとつながる。やがて知能と感情を持ち、自らを「真悟」と名付け、学習・成長していく。

 真悟がネットワークとつながって知識を得て、成長していくさまは生成AIのようだ。連載当時から、楳図さんはそうした技術を予見していたのだろうか。そう尋ねると「漫画の発想として描いただけ」とさらりと言う。

 工場で働いていた真悟の父は、仕事がロボットに奪われ落ちぶれる。一方で真鈴の父はエリートで、英国でリッチな生活をする……など、これもAI時代を予見しているかのような内容だ。

 いま、AIの普及で人間の仕事は実際に奪われており、格差拡大が助長されているとも言われている。今後、人間はどうなってしまうのか、不安になることもある。

 楳図さんはAIの進化について「人間が人間を作ろうとしている」と喝破する。そして「人間は本能の底では、進化しようと一生懸命あがいている」と。

 このインタビューは2016年。ChatGPTが世界を震わせる6年も前の内容だが、2024年の今でもじゅうぶんに示唆的だ。

 楳図さんの肉体は空に飛んでいってしまったが、作品とメッセージは永遠だ。

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