ベストセラー“反ワク”内部告発本の標的になった製薬会社が調査結果 著者の社員グループ「実在しない」
ITmedia NEWS / 2024年12月20日 7時25分
「私たちは売りたくない!“危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭」(出典:方丈社のWebサイト)
医療用医薬品を手がけるMeiji Seikaファルマ(東京都中央区)は12月19日、書籍「私たちは売りたくない!“危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭」に関する社内調査の結果を発表した。著者とされていた現役社員グループ「チームK」は実在しなかった。
執筆していたのは1人の社員だった。チームKの名前の由来とされるワクチン接種後に亡くなった元社員とは面識がなく、業務上の接点もなかった。
書籍の著者紹介には「日本最大のワクチン販売製薬企業の現役社員グループによる編集チーム。2021年9月に同僚社員がコロナワクチン接種後に死亡したことにショックを受けてさまざまな情報を得るようになり、mRNA型遺伝子製剤の安全性が確認されていない客観的事実を知る。彼の名前を忘れまいとの思いからチームKと命名」と書かれている。
著者の社員は、数年前からSNSなどで新型コロナワクチン接種に反対する動画を複数回にわたって配信していた。ワクチン接種に反対する人物らとも接点があり、別の共同著書も過去に出版していたことも分かった。
Meiji Seikaファルマによると、これまでは亡くなった元社員の家族に配慮してあえてコメントを控えていたという。しかし書籍に関するメディア報道に加え、SNSなどで憶測に基づく不正確な情報が広まったため、「真実を伝える必要があると考え、公表に踏み切った」としている。
書籍を出版した方丈社(東京都千代田区)に対しては訂正を要請した。書籍には社員の多くが次世代m-RNAワクチン(レプリコン)を売りたくないと思っているという記載もあるが「多くの社員が誇りを持って取り組んでいる」としている。
問題の書籍は9月18日発売。Amazonでは総合1位(9月18~23日)になるなど注目を集め、これまでに7刷・累計16万部以上を販売してベストセラーとなった。テレビ番組などで取り上げられることもあった。
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