1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

「人が解体され、食べられていた」──約4200年前の遺骨37体から“人肉食”の証拠? “非人間化”の儀式か

ITmedia NEWS / 2024年12月26日 8時5分

「人が解体され、食べられていた」──約4200年前の遺骨37体から“人肉食”の証拠? “非人間化”の儀式か

 英オックスフォード大学などに所属する研究者らが発表した論文「‘The darker angels of our nature’: Early Bronze Age butchered human remains from Charterhouse Warren, Somerset, UK」は、青銅器時代の英国で敵を殺して解体し、食していた残虐行為の可能性を示した研究報告である。

 約4000~4200年前(紀元前2210~2010年頃)のイングランド、チャーターハウス・ウォーレン遺跡から発見された人骨を分析した結果、少なくとも37人が殺害され、解体され、さらには人肉食の対象となった可能性が高いことが明らかになった。

 この遺跡では、15mの深い縦穴から37体の人骨や骨片を発見。犠牲者には男性、女性、子供が含まれており、ある共同体全体が標的になったと考えられる。

 人骨の詳細な分析からは、恐ろしい暴力の実態が明らかになった。多くの頭蓋骨には鈍器による致命的な損傷が見られ、これは犠牲者たちが近接戦で殺害されたことを示している。戦闘の痕跡がなく、犠牲者は不意を突かれたことが分かる。

 また、人骨の20%には複数の切断痕が見られ、3分の1には死前後の骨折が見られる。切断痕の大部分は、金属道具ではなく石で作られたものと思われる。これらは遺体を組織的に解体する過程で付けられたものだと考えられる。

 頭蓋骨の部位では25.2%に切痕が見られ、特に前頭骨と下顎骨に集中している。完全な状態の頭蓋骨では前頭骨に沿って複数の切痕があり、頭皮を剥がした痕跡を示している。5つ以上の下顎骨では下顎枝の前面に深い切痕が複数あり、これは咬筋を切断して下顎を取り外した際についたものである。少なくとも 1 つの症例では、下顎体の内部表面に長い切断痕があり、舌が除去されたことを示唆している。

 頭部の切断は頸椎の切痕から確認でき、上半身では肩甲骨と上腕骨の切痕が腕の切断を、肋骨の切痕が肉の除去と内臓摘出を示している。下半身では腸骨と大腿骨の切痕が脚の切断を、踵骨と距骨の切痕が足首での切断を示している。また長骨全体に見られる切痕は、肉を丁寧に取り除いた痕跡である。

 特に注目すべきは、手足の小さな骨に人間のかみ跡と思われる圧迫痕が残されていることで、これは人肉食の可能性を強く示唆している。

 しかし、これは食料不足が原因ではないとされる。なぜなら、同じ場所から牛の骨が複数発見されており、当時の人々には十分な食料があったことを示唆しているためだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください