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止まらないライブイベント配信の大規模化 「IPライブシステム強化」に動き始めたAJAの戦略とは

ITmedia NEWS / 2025年1月31日 15時30分

 この背景には、ライブイベントでの中継・配信においても、シネマ用の機材が使われるようになってきたことが挙げられる。特に音楽ライブなどは、以前からシネマ調の表現が求められる傾向が強い。ライブイベントでは同時に多くのカメラが使用されるが、2Uサイズのopen Gearのラックに最大10台までのOG-ColorBoxがインストールできる。2Uで10台のシネマカメラがリアルタイムグレーディングできるということになる。

 このOG-ColorBoxで実現したライブ用の機能は、ColorBoxに対しても無償のファームアップデートで対応する。

 open Gear対応製品新製品としてもう一つ展示されていたのが、「OG-C10DA」だ。1 IN 9 OUTの、アナログの映像信号分配器である。30年前までは当たり前に存在した機材だが、SDIが主力になるにつれて徐々にラックマウント製品は減少し、もっと小規模な利用を想定したボックス製品が中心となっていった。

 とはいえいくらデジタルになったからといっても、システムを組むとなると、まだまだアナログのBB(ブラックバースト)で同期信号を受ける機材も少なくない。特にカメラがそうだ。遠隔地同士での同期なら、PTPを使うか、1フレーム遅延するのを覚悟して引き込み同期したほうが早いが、ケーブルが届く範囲のイベントであれば、アナログ同期はまだまだ有効である。

 こうしたときに困るのが、意外に大規模拡張できて集約密度が高いアナログVDA機材がないという問題である。「OG-C10DA」はopen Gearラックに入れられるので、他のカード類とまとめて設置できるのがポイントだ。アナログ映像以外にも、AES3-id(デジタル音声信号)やLTCも分配できる。価格も1枚9万4820円と、9分配もできるわりには結構安いのも魅力である。10枚入れても100万円ぐらいだ。この場合は1 IN 81 OUTの分配器になるはずである。

 こうした製品が求められる背景には、ライブイベントの撮影・配信が次第に大規模になるにつれ、いつまでも「仮組み」では済まなくなったという現象がある。システム関係の機材を分かりやすく集約化し、ラックごと持っていくみたいな方法論になってきたからだ。単品のボックス製品をいくつもつないで、というやり方では、もはや対応できなくなったという事である。

 放送だけにとどまらずネット配信の台頭により、ライブイベントをリアルタイムに届けることのパイが大きくなってきているという現状に対応する製品と言えそうだ。

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