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3年間毎月15万円を、無条件に支給──サム・アルトマンが関わるベーシックインカム実験 結果は?

ITmedia NEWS / 2025年2月10日 8時5分

 受給者は、対照群に比べて、積極的に仕事を探している可能性が10%高く、仕事に応募する可能性が9%高かったが、応募した仕事の数は少なかった。受給者は、どんな仕事でも必須の条件として、興味深い仕事や有意義な仕事を選択する傾向が高かった。

 現金給付プログラムの世帯収入への影響を分析したところ、給付金自体を除外して考えると、受給者の世帯総収入は2500~4100ドル減少し、対照群を下回っていた。ただし、月々の給付金1000ドルを含めて計算すると、受給者の平均個人収入は約1万ドル、平均世帯収入は約6100ドルと対照群を上回る結果となった。

 支出パターンの分析では、月平均310ドルの支出増加を確認し、その内訳は食費(67ドル増)、交通費(50ドル増)、家賃(52ドル増)など、基本的なニーズに関連する項目が中心であった。

 特筆すべき点として、他者への経済的支援が26%増加し、月平均22ドルの支出増となったことが挙げられる。この支出増加は、現金給付が個人の生活基盤を安定させるだけでなく、コミュニティー内での相互扶助を促進する効果があることを示唆している。

 ※Innovative Tech:このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。X: @shiropen2

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