“AI市長候補”が市長選に出馬して分かったこと 「握手ができないAIは選挙活動が苦手」

ねとらぼ / 2018年5月1日 19時30分

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 4月の多摩市長選挙で異彩を放っていた“AI市長候補”こと松田みちひとさんをご存じでしょうか。

 何の前触れもなく選挙戦に登場した松田さんは、市職員の優遇問題や少子高齢化、投票率の低下等さまざまな課題を抱えた多摩市政へのAI導入を提唱。「AI市長によるチャット相談」「仮想通貨TAMAコインの発行」といった斬新な政策を掲げ、特徴的なポスターなども含めてSNSで注目を集めました。

 「しがらみのない公明正大な市政」を謳い出馬した松田さんですが、健闘むなしく落選。選挙は現市長・阿部裕行さんの勝利に終わりました。

 インパクトが先行していた感もある“AI市長候補”ですが、松田さんはいったい何を目指して立候補したのでしょうか? 選挙結果を受けた今後の展望も含め、松田さんに伺いました。

●「顔も見せずに失礼だ」とお怒りになるお年寄りの方もいた

―― 「AI市長」というプロジェクトを立ち上げたきっかけを教えてください。

松田みちひとさん(以下、松田):もともとインドのGenic.aiというAIの会社(※)の社長や仲間うちで「AIであれば政治家のほとんどの仕事がカンタンにできるのではないか?」という議論をしていました。そのような中で、私の出身地である多摩市の市長選挙が「無投票選挙」になりそうだと聞いて、「AIを全面的に打ち出した選挙キャンペーン」をやることになりました。

(※2016年アメリカ合衆国大統領選挙においてドナルド・トランプ大統領の勝利を予測したとされるAI「MoglA」の開発元)

―― 「AI市長」の旗を掲げて選挙を戦った感想はいかがですか。

松田:AIは政策立案能力や分析・判断能力に優れています。ところが政治家の仕事を優秀にこなせたとしても、政治の世界で有名な「握手の数しか票は増えない」「握手3人で1票」ができないのですよね。

 肝心の政治家になるための選挙活動が苦手である、といえるかもしれません。また、多摩市は高齢者が多く、「AI、ロボットによる政治」が受け入れられなかった点も苦しかったです。実際ポスターを目にして「顔も見せずに失礼だ」とお怒りになるお年寄りの方もいました。

 多摩市議会はいわゆる「オール与党」状態で、ほとんどの市議が「現職市長の3選」を望み、誰も市長選に立ちませんでした。組織票を持たない私としては、投票率をあげることで無党派層を取り込みたいと考えました。一般的に選挙は投票率が低いと組織票を多く持つ候補が有利とされているからです。しかし、そこは力及びませんでした。

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