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強度に違いはあれど「ガラスは割れるもの」 特殊ガラスメーカーが語る、ガラスの防災

ねとらぼ / 2024年8月28日 12時5分

強度に違いはあれど「ガラスは割れるもの」 特殊ガラスメーカーが語る、ガラスの防災

割れないガラスはない

 地震や台風など自然災害により建物が大きな被害を受けることは知られていますが、割れたガラスが床に飛び散ってケガをする、避難を妨げられるなど、より被害が大きくなってしまうこともあります。9月1日の「防災の日」を前に、「窓ガラス」という視点からの防災について、特殊ガラス製品を製造・販売する「日本電気硝子」(滋賀県大津市)に聞いてみました。

●割れないガラスはない!?

 まずは、最近日本各地で発生している地震。地震によりガラスが割れるのは、強い揺れやそれによって飛んできた瓦礫が当たるなど、強い衝撃が加わったときだそうです。地震に強いガラスはあるか尋ねてみると、以下の回答がありました。

 「防火防災系のガラスとしては、一般的な窓ガラスに加え、網入りガラス(金網を内部に封入したガラス)、耐熱結晶化ガラス(800度でも割れない耐熱ガラス)、風冷強化ガラスなどがありますが、強度に違いはあれど、割れてしまいます」(日本電気硝子)

 「ガラスは割れるもの」ということを前提として、3つの対策を上げてくれました。

1. ガラスの表面に飛散防止フィルムを貼る→フィルムがガラスの飛散を防ぎます

2. 合わせガラスの間に中間膜として樹脂シートを挟んだ防火ガラス(同社製品だとファイアライトプラスネオ)を採用する→シートが飛散を防ぎます。また、ガラスとガラスの間にシートが入っているので、シートの劣化などの心配がありません

3. 網入りガラスを採用する→網がガラス破片の飛散を防ぎます

 飛散防止フィルムは大手通販サイトやホームセンター、家具量販店で購入できることから、一番取り組みやすい対策だと言えそうですね。また、持ち家の人や新しい住居を探している人は、防火ガラスの採用を検討してみては。

 台風については専門外としつつも、飛散防止フィルムや合わせガラスの採用などが考えられるとして、地震と同様の飛散防止対策を挙げています。

●猛暑でも割れる!?

 さて、地震や台風のほか、近年問題となっている猛暑もガラスが割れる原因で、熱されると膨張する熱膨張という性質が関わっているとのこと。

 「熱膨張したガラスに急激な温度変化や部分的な温度差が生じると、ガラスに強い応力(負荷)がかかります。ガラスの一部が日光で非常に高温になり、他の部分が冷たいままだと、膨張の不均衡によってガラスが割れることがあります」(日本電気硝子)

 熱膨張と温度差による負荷は、例えば猛暑により外気が高温なのにエアコンで室内が涼しい場合、ガラスの表面に応力が発生し、割れやすくなるそうです。

 さらに、飛散を防ぐ網入りガラスも猛暑には逆効果。「実は普通のガラスよりも熱に弱く、割れやすいという特性があります。理由は、網入りガラスに金網が入っているためです。金網は熱膨張により伸縮し、それがガラスに負荷をかけてしまうためです」。

 日本電気硝子は膨張率を抑えた「耐熱結晶化ガラス」を推奨。「耐熱結晶化ガラス」は同社も含め複数の企業が製造しています。

 自宅の窓ガラスはどんなガラスを使用しているのか、今住んでいる家ではどのような対策が可能なのか。「ガラスは割れるもの」という言葉を頭に置いて、確認してみませんか。

(谷町邦子)

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