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ツインテールを漢詩で表現するなら? 同人誌『推し漢詩』から学ぶ、“スキを漢詩で”表す方法

ねとらぼ / 2024年12月15日 12時5分

ツインテールを漢詩で表現するなら? 同人誌『推し漢詩』から学ぶ、“スキを漢詩で”表す方法

伝えたい思いを漢詩で表すには?

 今年の漢字は、今年を一言で表すと……といった話題が聞こえてくるような季節になりました。どんな一年だったかなと振り返るのと同時に、それをどう表現したものか、と頭を巡らせます。今回は、思いを漢詩で表す、創作漢詩の同人誌です。

●今回紹介する同人誌

『推し漢詩。スキを、漢詩に。改訂版』A5 124ページ 表紙・本文モノクロ

著者:午睡先生

●語り合いながら漢詩づくりを目指す

 こちらのご本は、漢詩づくりをテーマにしています。漢詩といえば、教科書に載っていた「国破れて山河在り」がかろうじて浮かぶくらい、という私ですが、ご本のタイトルにある「スキを、漢詩に。」の語に、そんなかっこいいことができたらどんなにすてきでしょう! とひかれ、手に取りました。

 本編では「好きな対象を漢詩にしたい」と意気込む高校生と、指導する先生という立場を架空に設定し、そのおしゃべりがメインに書かれています。その対象はゲームのキャラクターや情景、大切な相手といった旅などさまざまです。また、作者さんがこれまでどのように漢詩と関わってこられたかについてはご本では触れられていませんが、コラムとして名詩の解説が差し挟まれており、新しい作品を生み出す折に古典的な漢詩も味わってほしいという、漢詩全体への目配りを感じます。

●漢和辞典もネットも駆使して組み上げる言葉

 ご本の中で教わる立場の生徒さんは、学校で少し漢詩に触れた程度という、読み手の私とほとんど同じ条件です。これが先生の導きでとんとん拍子に漢詩づくりの階段を上っていくのですが、実は序盤の展開は私には相当に難しそうに思え、どきどきしました。好きな漢字をただ並べるだけでなく、語尾の響きやその配置など、今まで考えてこなかったルールが立ちはだかっているように感じてしまいました。

 しかし、そこをなんとか読み進め、生徒さんが具体的な情景やキャラクターの特徴をどう表現するかを組み立てるところになると、目の鋭さを表すには? ツインテールを表すには? と、想像しやすい条件が知らなかった言葉に置き換わっていく新鮮な面白さがやってきました。この面白みを組み込むには、そういえば確か条件があって……とページを戻ると、最初は戸惑ったルールも飲みこみやすく振り返ることができました。

 ルールにのっとり、充実した漢詩を生み出すために、漢字辞典を使ったりネットで確認したりするツールも示されます。思えば、ゲームなどでも上級者になるとある程度の“縛り”があると、がぜん面白くなったりしますものね。歴史ある漢詩の世界、縛りのなかでぴったりとする言葉をはめるかっこよさもありそうです。

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