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Intelの「Gaudi 3」って何? AIアクセラレーターとGPUは何が違う? NVIDIAやAMDに勝てる? 徹底解説!

ITmedia PC USER / 2024年7月5日 17時5分

 なお、動画や音声の圧縮を行う「エンコード」機能は備えていない。

 ちなみに、NVIDIA H100もメディアエンジンを搭載している。性能的にはGaudi 3のものとほぼ同等で、デコーダーのみでエンコーダーは備えないことも同様だ。

 Gaudi 3のメディアエンジンには「ポストプロセス機能」も搭載されている。映像/画像に対する「解像度変換」の他、「パースペクティブ加工対応の回転/拡大/縮小」などをハードウェアベースで行える。これもAI処理に必要という判断で搭載された機能のようだ。

 一方、NVIDIA H100は“GPU”なので、これらの処理をGPU的なアプローチで実装できる。そのため、Gaudi 3のようなポストプロセス機能は“あえて”搭載していない。

●Gaudiシリーズの成功の可否のポイントはどこにある?

 近年、IntelはAIにとても注力している。しかし、圧倒的なリーダーシップを誇るCPU事業と比較すると、正直いってブランド力は弱い。

 昨今のAIは、GPGPU的なアプローチで進化してきた。Intelは「GPGPU製品の投入」という“初手”でつまずいたため、このブームに何としても応えられる製品(プロセッサ)の投入が急務かつ不可欠だった。

 そこで同社は、自社でのGPGPU製品の開発は諦め、“一点突破”型のAIアクセラレーターとしてのGaudiシリーズを会社(Habana Labs)ごと手に入れ、それを強化していく方針を立てた。

 繰り返しの説明となるが、GaudiシリーズはAI開発における「学習」、そしてAI活用時の「推論」の各フェーズにおいて強力な性能を発揮する一方、GPGPUサーバとしてのポテンシャルは持たない。この“一点突破”な特質が、市場やユーザーにどう受け止められるか――ここにGaudiシリーズの成否がかかっている。

 今後Gaudiシリーズが成功を収めるには、速やかに大口の顧客を確保し、それを逃さぬようより性能強化された新型を継続的に市場投入し続けることが重要となるだろう。Xeon Phiコプロセッサのように「5年で終了」では、たまったものじゃない。

 AIの性能は「高ければ高いほどよし」の風潮は弱まることを知らない。だからこそ、ユーザーの期待に応えるべく、NVIDIAやAMDが送り出してくるGPGPU製品群に性能面でひけを取ることは許されない。なにしろGPGPUではなく、“特化型”のAIアクセラレーターなのだから。

 Gaudiシリーズは、今後もライバルのGPGPU製品と性能面でデッドヒートを続けられるのか。今後の進化にはさらなる注目を集めることだろう。

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