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上位モデルのQuest 3ではなく、5万円以下で買える「Quest 3S」という選択肢はアリか? 実機を試した

ITmedia PC USER / 2024年10月8日 6時5分

 代わりにコストダウンの源となったポイントが表示系です。ディスプレイパネル解像度やレンズの仕様が、1世代前のQuest 2と同じになりました。IPD(瞳孔間距離)の調整機構も手動かつ3段階であり、Quest 2と同じパーツを使っているのだろうかと思えてくるほどです。

●エンタメ用途であれば思う存分楽しめるフレネルレンズ

 2020年発売のQuest 2と同等の表示系を採用しているあたりは気になります。2024年の価値基準で見たときの映像クオリティーはいかがなものでしょうか。

 体験会の会場では他モデルとの比較ができなかったために、あくまで筆者の記憶と照らし合わせての主観となりますが、悪くはありません。

 確かにパンケーキレンズを使っているQuest 3との差はあります。周辺視野はにじんで見えるところがあるし、強い光が見えるシーンではやや飽和してコントラストが低下します。でもQuest 2の表示系はゴッドレイが起きにくいし、スクリーンドアも感じにくい。安価なレンズを使ってはいるけれども、映像の見え方そのものは、SNSなどで指摘されているほど悪くないんですよね。

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 特にVRゲームで遊んだり、映画やアニメを見ているときは何ら問題がありません。低価格機で得られる視界としては十分なクオリティーです。

 注意するべきは小さい文字を読まねばならないシーンです。体験会のデモでブラウザ画面を見るシーンがありましたが、URLなどの文字を読むとなると、クリアな視界のMeta Quest 3の方が明らかに勝っています。

 VR/MRヘッドセットメーカーは今、空間コンピューティングデバイスとしての使い方をアピールしています。Metaも同様で、Quest 3Sもビジネス用途のユースケースがあると伝えています。でも個人的な印象としては、マルチウィンドウ/マルチタスクな使い方をするなら、パンケーキレンズを使ったMeta Quest 3を選んだ方が良いな、と感じますね。

●MR/カラーパススルーのクオリティーは高い

 Meta Quest 3Sはカラーパススルーを可能にする眼を手に入れました。フロントカメラで捉えた現実世界を、デジタル情報と共にカメラ越しに表示する機能です。

 Quest 2のパススルーはモノクロでダイナミックレンジが低く、積極的に使いたいと思えるものではなかったのですが、Meta Quest 3SのビデオパススルーのクオリティーはMeta Quest 3級です。深度センサーは不採用となったため、近くのものを見たときの補正力に差が出るかもしれませんが、実際に使ってみると十分納得がいくものです。

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