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10年間“卒業”できなかったVAIOがノジマ傘下に入る理由

ITmedia PC USER / 2024年11月13日 12時45分

10年間“卒業”できなかったVAIOがノジマ傘下に入る理由

VAIO本社工場(長野県安曇野市)の建屋

 既報の通り、「VAIO株式会社」の株主変更が発表された。

 2014年2月、ソニー(現在のソニーグループ)はPC事業を会社分割した上で、投資会社である日本産業パートナーズ(JIP)に事業譲渡することを発表した。同年7月に本件譲渡が実行され、JIP傘下の独立起業として現在のVAIOが誕生した。

 事業譲渡と新会社発足から10年4カ月――JIP傘下のVAIOを保有する持株会社と、JIP傘下のファンドが持つVAIOの株式をノジマが買い取ることになった。これにより、VAIOはノジマの子会社となる。

 ノジマがVAIOを買うことになると、ビックカメラやヨドバシカメラといった他の量販店と競合するのではないか、という懸念の声もある。しかし、仮にそうだったとしても、実はその影響は小さいと筆者は考える。

 この記事では、その理由を解説していく。

●2014年にソニーから独立したVAIO

 VAIOの前身となったのは、1996年に製品の販売を開始(厳密には復活)したソニーのPC事業だ。PC事業を復活させたソニーは、「VAIO(バイオ)」ブランドの下でPC製品を展開していくことになる。

 ソニーはかつて、AppleやDell(現在のDell Technologies)などの米国メーカーのODM(Original Design Manufacturer)として、PCの設計から生産までを請け負っていた。その経験を生かして、新たなブランドの下でPC事業を改めて立ち上げたということになる。

 VAIOブランドの立ち上げ後、ブランド名の由来ともなっている印象的な紫(バイオレット)カラーをまとった「VAIO 505」を始めとする薄型軽量ノートPCが話題を呼んだ。VAIO 505の他にも、ソニーは後世に語り継がれるような魅力的なPCを続々と登場させた。

 魅力的なPCを続々と送り出す“ソニーのVAIO”は、日本だけでなく海外でも人気を集め、グローバルなPCブランドの1つになった。

 しかし2010年代前半、ソニーのPCの世界における販売シェアは徐々に低下し、PC事業の利益率も下がっていった。そこでソニーは2014年2月、エレクトロニクス事業の“変革”の一環として自社でのPC事業運営を終了(収束)することを決定した。

 それと同時に、ソニーはこのPC事業をJIPが設立する新会社に譲渡することも決めた。新会社は、ソニーと子会社のソニーイーエムシーエス(現在のソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ)が保有するPC事業にまつわる財産/人材を引き継ぐことになった。

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