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「日本のユーザーにはとても感謝している」 M5Stack TechnologyのジミーCEOが語る今と今後、そして「MSX0」との向き合い方

ITmedia PC USER / 2024年11月25日 12時0分

ジミー 確かにそういう事態もありますし、温湿度センサーやENVというユニットは、バージョンが1/2/3/4まで出ています。センサーのメーカーを変えたりして、後継製品を出しています。

―― センサーは基本的には後から出てくる方が、性能だけでなく精度が良くなっています。センサーメーカーが変わったりすると、ちょっと特性が変わるとかっていうのはありそうですけどね。

ジミー それは確かにそうですね。

高須 実際、Raspberry Piでは、同じものを5年間作るとか、7年間作るとかって発表していたりはするものの、そういうのはM5Stackでは確かに今のところはやっていません。そもそも、今使っている部品が5年後とか7年後に手に入るかってことが、よく分かっていないのが実情です。

●現状では自社生産で回っているが将来的に外注する可能性も

―― 以前も規模がすごく大きくなった際に、EMS的なものを使って製造は外部に委託する予定はあるのかという質問をしました。その時は、現状は考えてないという返答でしたが、それは今も変わっていませんか? もちろん新社屋への移転で、さらに生産能力が向上したと思いますが。

ジミー 私の目の届くところで、安心して組み立てるというのが大前提ではあります。ただ、将来的にその需要が爆発して、品質のいい外注先工場が見つかれば、そういうところで組み立てることは否定しません。

 当社の製品の生産数量はそれほど多くはないので、多品種少量生産の品質を外注で維持することは大変難しく、自社でやっています。将来的に数量が多くなれば、外注工場を探す可能性もありますが、やはり品質第一だと考えています。私が安心して任せられるようなパートナーが見つかれば頼む可能性はありますが、現状は自社の生産能力で十分回っています。

●日本のM5Stackユーザーにはとても感謝している

―― 最後に日本のM5Stackユーザーに対して、メッセージをいただけないでしょうか。

ジミー 2016年に、私が生産技術的な部分の実業と趣味を兼ねてM5Stackを作り、その後、日本でも販売を開始しました。高須さんの功績がとても大きいと思いますが、Makerコミュニティーを作っていただきました。そのMakerコミュニティーから、M5Stackの商品に関していい意見も悪い意見も含めてフィードバックをいただいて、M5Stackの製品開発に生かしてより良い商品を出し続けるという、いい循環ができたことがすごくうれしいです。

 それに伴っていい商品を出し続けなきゃいけないという責任もありますが、商品を買って評価してフィードバックをいただいているお客さまが、特に日本にはたくさんいるのでとても感謝しています。

高須 具体的にどこの会社というのは許可を取らないと言えないんですが、日本でもM5Stackの製品を商品に組み込んでいる会社がものすごくたくさん増えています。例えば、今日やっているロボット展に出展しているARMAという日本のスタートアップは、ロボットのハンドグリッパーにM5Stackを使っています。彼らは、2024年の「M5Stack Japan Creativity Contest」に応募して、優勝しています。

―― ありがとうございました。

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