ハイエンドスマホ向け新型SoC「Snapdragon 8 Elite」にみるAI半導体の進化
ITmedia PC USER / 2024年11月28日 19時40分
例えば精度がより失われる「INT2」演算は、自動車の自動運転の世界には適用できない。ADAS(先進運転支援システム)では精度の高さが非常に重要で、これが失われるのは大きな問題となるからだ。 したがって、低精度演算は消費者向けのIoTデバイスやスマホにおける画質向上で使うなど、領域によって(演算精度は)使い分ける必要がある。
少し言い換えると、ハードウェアやソフトウェアスタックの構成はターゲットとする市場を見極めて設定されるべきということだ。現在、Qualcommは車載デバイス方面での活動も盛んに行っている。当然、ターゲット市場搭載されるハードウェアの構成も変更されることになる。「One size fits all」(1種類で全てをまかなえる)という状況にはなり得ない、という話だ。
●Snapdraonシリーズにおける「AIハードウェア」の実際
先述の通り、スマホ向けCPU/SoCのNPUでは、大量のMAC演算を高速かつ低消費電力で実行できるかが重要になってくる。個々の計算そのものには依存性はないため、並列処理をいかに効率化できるかが重要となる。
同様の処理はGPUでも可能で、元々は深層学習と推論の実行はどちらもGPUが得意とする領域だった。それは現在も変わらない。しかし、GPUとNPUを比べると低消費電力時における効率性において、最も大きな違いがデル。
他方、こうした大量の並列演算はCPUでも「SIMD演算」の形で命令系統に組み込まれている。代表的なものがIntelのCPUにおける「MMX(Multimedia Extensions)」や「SSE(Streaming SIMD Extensions)」だ。場合によっては、CPUがAIにまつわる演算を担うことが考えられる。
Snapdragonシリーズでも、CPUコアの「Oryon」、GPUコアの「Adreno」、そしてNPUコアのHexagonがAI処理を“分担”している。
例えば、従来からある「コンピュータビジョン」のような画像認識の世界では、Transformerモデルは利用されず、実行に最適な演算ユニットも異なる。またNPUは精度を犠牲にしてスピードと実行効率を重視する傾向にあるため、ADASのようにユースケースには不向きだ(この場合GPUの利用が好まれる)。この他、AI処理としては軽いものの、レスポンス(応答速度)を最優先するユースケースもある。
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