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ニンテンドーDSにQWERTYキーボードを追加したような二つ折りポータブルPC「AYANEO FLIP KB」を試す

ITmedia PC USER / 2024年12月4日 12時5分

 最も気になるのは、ディスプレイを閉じたとき邪魔にならないように凹部に設置されたジョイスティックの操作性だが、少し操作するだけで慣れるだろう。

 筆者の場合は、むしろ指をすべらせるように動かすだけでA/B/X/Yボタンや十字キーに移動させられるこの配置の方が使いやすいとさえ感じたほどだ。

 電源ボタンは指紋認証一体型で、その右にはマウス操作を行うための光学式フィンガーナビゲーションが並ぶ。基本的にAYANEO独自のユーティリティーソフト「AYA Space」がバックグラウンドに常駐していれば、左のジョイスティックでマウス操作を行えるのだが、アプリによっては利かないことがある。そのようなときに補助的に使うことができる。

 光学式フィンガーナビゲーションの感度は非常に良いのだが、良すぎるため予期せずクリック操作をしてしまっていることがある。タッチスクリーンを搭載しているので、面倒でなければ画面に触れて操作する方が正確なのではないかと感じた。

●ベンチマークスコアやいかに

 さて、ハード面で優れたAYANEO FLIP KBだが、実際のところAAAタイトルのゲームプレイを楽しめるのだろうか。AYASpaceでパフォーマンスを「Extreme」(最大)に、FPS Limitを「120」(最大)に、TDP Limitを「30W」(最大)に、ファンの性能も最大に設定してテストした。

 まずはストレージのテストでおなじみの「CrystalDiskMark 8.0.5 ×64」(ひよひよ氏・作)でベンチマークを測定した。設定ではNVMe SSDを選び、5回計測してその平均値を取った。その結果、読み出し速度の平均は毎秒5115.65MB、書き込み速度では平均毎秒3892.16MBであった。なお、それぞれ最高は読み出し速度が毎秒5235.24MB、書き込み速度が毎秒3935.28MBであった。

 続いてCPUの処理性能を測る「CINEBENCH 2024」で、マルチコアとシングルコアのスコアを計測した。こちらはマルチコアの平均スコアが538.33、シングルコアの平均が62.33であった。

 さらに、グラフィック性能を測るため「3DMark」を使いベンチマークスコアを取った。試したのは「Wild Life Extreme」だ。5回テストしたところ、スコアの平均値は「4908.5」で、フレームレートは「29.395」であった。最大値はそれぞれ「4926」と「29.5」だった。

 最後に、快適にゲームプレイできるかをテストしてみたい。使用したのは「ファイナルファンタジーXIV:黄金の遺産(レガシー)」だ。

 デフォルトでは「高品質(デスクトップPC)」となっており、その状態でのスコアは「4315」で「普通」という評価だった。試しに「最高品質」にしてみたところ全員が「やれやれ」という表情と仕草をする「設定変更を推奨」のスコア「3726」であった。とはいえ、デフォルトの高品質画質で普通という判定だったことから、AAAタイトルでも問題なくプレイできると考えても良さそうだ。

 なお、画質を「標準品質(デスクトップPC)」に落としてもスコアは「5233」で「普通」だったので、どちらを選ぶかはプレイヤーに任されるといったところか。

 後編では、ゲームプレイ時の操作性、ビジネス用途としての使い勝手などについて検証していきたい。

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