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米国が本社の「TP-Link」 本当に中国「TP-LINK」と無関係になったのか? 日本法人に聞く

ITmedia PC USER / 2025年1月27日 17時5分

 そして2022年、TP-LINKは海外(中国外)事業の“完全分離”(スピンオフ)を開始する。時系列で記すと以下の通りだ。

・2022年1月:TP-LINKが中国外事業を「Big Field Global(BFG)」に譲渡開始

・中国外に所在する子会社/研究開発/マーケティング/サポート体制が対象

・製品の生産はベトナムの自社グループ企業に依頼

2023年1月:BFGが米カリフォルニア州に「TP-Link Global」を設立

・研究開発/技術マーケティング機能や研究開発拠点の運営権はTP-Link Globalに移管

・これにより、シンガポール(BFG)と米国(TP-Link Global)の2本社体制に

2023年9月:BFGがTP-LINKの中国外事業の買収(譲受)を完了

・この時点で「TP-LINK」と「TP-Link」は資本的に無関係になる

2023年12月:BFGが「TP-Link Corporation」に商号変更

・引き続き、シンガポールと米国の2本社体制を継続

2024年5月:TP-Link Corporationが事業再編の完了を宣言

2024年10月:TP-Link GlobalとTP-Link USA(米国での事業会社)が合併し、商号を「TP-Link Systems」に変更

・TP-Link Corporationのオペレーション機能を統合し、完全な米国本拠企業に

・TP-Link Corporationはシンガポールにおける事業会社として存続

●TP-LinkとTP-LINKは本当に無関係になったのか?

 本題に戻ろう。先述した通り、資本的には2023年9月付でTP-LINKとTP-Linkは“無関係”となっている。製品情報を見ても、両社の製品には関係性は見受けられない。

 実際のところはどうなのか、ティーピーリンクジャパンの広報担当者に聞いてみた(一部、体裁を整えている)。

―― TP-Link SystemsとTP-LINK Technologiesとの間に現在、資本関係はありますか。

ティーピーリンクジャパン ございません。

―― TP-Link Systemsの資本構成はどのようになっていますか。

ティーピーリンクジャパン 現在のTP-Link Systemsはジェフリー・チャオ氏とその妻が100%所有する米国企業です。

―― 2024年12月に発表したステートメントによると、両社は「提携していない」とのことだが、製品の開発や製造も完全に分離しているのでしょうか。

ティーピーリンクジャパン その通りです。

 米国での報道にあった「ネットワーク機器の利用を禁止することの検討」は、TP-Linkが米国登記の企業であっても、本当に資本的な意味でTP-LINK(もっというと中国)から分離できているかどうか不明瞭なことが一因だと思われる。米商務省がTP-Linkに企業構造に関する詳細な情報の提出を求めているという報道もあるが、企業情報を明瞭にしておけば、このようなことにはならなかったのではないかとも思う。

 ともあれ、TP-Linkは本件に関する情報をもう少し詳しく説明してもいいと考える。そうすれば、ユーザーもより安心して同社製品を使えるようになるはずだ。

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