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Ankerが挑む“家まるごと”の電源確保――モバイルバッテリーの先にある“新市場”

ITmedia PC USER / 2025年1月30日 15時0分

 蓄電池は、安全性にも配慮している。リン酸鉄リチウムイオン電池は、発火のリスクが低い。その上で、各電池パックに8つのセンサーを搭載し、異常を検知するとすぐにアラートを発するようになっている。電圧が高まったときに発生する「アーク放電」を0.5秒以内に検出して遮断する機構も備えている。これは日本国内では必須とされていない機能だが、より厳格な海外の規格を考慮して搭載したという。

 日本市場への投入に当たり、国内では「電気安全環境研究所(JET)」からの認証を取得し、国際安全規格の「IEC 63027」にも準拠している。

●Solix XJシリーズは「オンライン購入」が基本

 従来の家庭用蓄電システムは訪問販売が中心だ。そのため契約や施工に複数業者が関わることもあり、導入までの道のりが煩雑になりやすかった。

 それに対して、Ankerは一連のコミュニケーションを一手に引き受け、見積もりから契約、補助金申請までをオンラインで完結できる仕組みを構築した。

 概算見積もりは手軽にスマホで確認可能で、自治体ごとに異なる補助金の申請手続きも、Ankerがサポートする。

 Solix XJシリーズでは、専用アプリも提供される。アプリでは蓄電池の充電状態や発電量の確認が可能で、「FIT制度(固定価格買取制度)」を利用して発電した電気の一部を売却している場合は、売電状況も確認できる。

 なお、現時点において本シリーズはオンライン販売のみとなるが、今後は住宅メーカーや住宅設備関連企業との販売協力体制も広げていく方針という。

●価格は100万円台後半から(構成によって変動)

 冒頭でも触れた通り、Solix XJシリーズのシステム価格は工事費込みで100万円後半から300万円程度と幅がある。これは蓄電池の容量だけでなく、実際の工事費が環境によって変動するためだ。オンライン購入時は、概算見積もりが出るようになっている。

 なお、ソーラーパネル(14枚セット推奨)はシステムに含まれておらず、新規設置する場合は追加で50万~100万円ほどの出費が必要となる。15年~20年の提携ローンも用意しており、ローンを使った場合の支払い目安は月々1万~2万円程度となる。

 Ankerによる試算では、1万Whタイプを4人家族の一軒家で導入する場合、月額約1万5500円の電気代削減効果が期待できるという。地域によって異なる補助金などを含めて実際のコストパフォーマンスは変わってくる。防災対策と電気代削減の両面で投資に見合う価値があると判断できるケースもありそうだ。

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