ラーメン店に立ちはだかる“千円の壁” 倒産急増、3割以上が赤字経営 帝国データバンク調査
iza(イザ!) / 2025年1月7日 14時44分
帝国データバンクは7日、2024年に発生した「ラーメン店」経営事業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は過去最多の72件だったとする調査・分析結果を発表した。原材料コストなどの高騰を値上げでカバーしたいが、一杯の価格が千円を超えると客に敬遠されるといわれる「千円の壁」を意識して価格転嫁を進められず、閉店を余儀なくされるケースが目立ったという。
同社によると、これまで「ラーメン店」の倒産が最も多かったのは、コロナ禍で飲食業界が苦しんだ20年の54件。それに次ぐのが23年の53件だったが、24年は急増して過去最悪の水準を大きく上回った。
23年度のラーメン店の業績は「赤字」が33.8%、利益の減少を示す「減益」が27.7%で、これらを合算した「業績悪化」は61.5%だった。訪日客によるインバウンド需要などの追い風を受けた一方で、原材料費や人件費、光熱費といったコストの増加を価格に転嫁できず、利益確保が難しかったとしている。
これらの状況を裏付けるように、同社が実施したラーメン作りに使用する原材料のトータルコストの試算では、24年平均(10月まで)の原価は22年平均比で1割超増加していたという。
こうした結果を受けて同社は、ラーメン一杯あたりの価格が全国平均で700円を下回る水準で推移し、トッピングなしで千円を超えると客足が遠のくと言われるほど「適正価格」の形成が難しいことが利益確保を困難化させる一因だと指摘。今年も中小規模の店を中心に倒産が増加する恐れがあると警鐘を鳴らした。
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