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配達員のウェルビーイング向上、アマゾンら重視 無償ドリンク、ガソリンスタンドを休憩所に?ユニークな案も

iza(イザ!) / 2024年8月8日 10時34分

アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長=7日、東京都品川区

通販大手のアマゾンジャパンは7日、東京・目黒の本社でセミナーを開催。ジャスパー・チャン社長は配達拠点から届け先までを結ぶ「ラストワンマイル」の施策を強化するとともに、配達員らのウェルビーイング(心身の健康)の支援に注力すると発表した。

同社は近年、配送ネットワーク構築のために年間数千億円以上を投資しているが、今年中にラストワンマイルの施策強化で250億円以上を追加投資する。自営業者が空き時間に副業として、近場への配達を手伝うなどのプログラムを充実させるという。また、再配達の削減に向け、注文した商品を受け取れる専用ロッカーを増やすとしている。

こうした施策とともにチャン社長が重点分野に挙げたのが配達員のウェルビーイング向上だ。

「アマゾンにとってのお客様とは誰でしょうか。お買い物をされるお客様、取引企業様、アマゾンにかかわるすべての方がお客様です。それは配達パートナーも例外ではありません」(チャン社長)

これまでは希望者に都市部で安全に配達するためのトレーニングをする機会を設けたり、靴や夜間作業用のヘッドライトを無償提供したりしてきたが、今夏はドリンククーポンの配布も始めた。電子メールで送られてきたクーポンをセブンーイレブンの店舗で提示すると、1週間に6本まで飲み物を受け取ることができる。徒歩や自転車で配達をする人の水分補給と熱中症の予防が狙いだ。今後もサポートを強化して、配達業の経験がない人が参入しやすくなる仕組みづくりを続ける。

配達員のウェルビーイング向上を目指して異業種も動き始めている。三井不動産レジデンシャルリースは、賃貸マンションの入り口のオートロックを配達員が解錠して置き配できるシステムをアマゾンと構築した。セミナーのパネルディスカッションに参加した同社経営企画部長の中村誠氏によれば、再配達を減らし、配達員の負担も軽減できるという。

ENEOS執行理事でプラットフォーマー事業部長の小池泰弘氏は「予約制にするなどして、ガソリンスタンドを配達員の休憩所に使えないだろうか」とユニークな展望を語る。サービスエリアの駐車スペースは満車、コンビニの駐車場に長居すれば白い目で見られる、それならばガソリンスタンドで運転手が休めるようにすればいいというわけで、すでに社内で検討中だという。

また、同社グループのENEOSウイングは、関東と関西を行き来するトラックドライバーらが浜松市内にある中継輸送拠点「EW三ケ日コネクトステーション」でトレーラーヘッド(トラックの前部)を交換するなどして、運ぶ荷物を取り換える取り組みを4月1日に開始した。片道400キロを2日がかりで往復していた重労働が、ほぼ中間地点の静岡で引き返すことによって日帰りに短縮されるという。時間外労働の上限規制導入によって運転手が不足し物流が滞る「2024年問題」への対策だ。小池氏は「(ドライバーの情報を管理する)IT技術に、土地や施設を持っているという強みを組み合わせて支援したい」と話した。

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