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[岩田太郎]【底なしの米政治腐敗、打つ手なし】~個人メール問題、ヒラリー氏は氷山の一角~

Japan In-depth / 2015年3月14日 11時30分

権力者が罰を受けなかった前例は、あまたある。政敵の民主党本部盗聴を大統領自らが命令したウォーターゲート事件で訴追されそうになった共和党のニクソン元大統領は、自身が後任に任命したフォード元大統領から恩赦を受けた。共和党のレーガン元大統領時代、イランへの武器売却代金をニカラグアの反共ゲリラ「コントラ」の援助に違法流用していた事件はうやむやにされた。

民主党オバマ政権も、法律に違反しながら処罰されなかった高官のオンパレードだ。政権の敵である保守系団体を国税査察で狙い撃ちした内国歳入庁のロイス・ラーナー前部長は、公務のメールが「行方不明」になったと苦しい言い訳をしたが、訴追されていない。環境保護庁のリサ・ジャクソン元長官に至っては、公務のメールを私用の「リチャード・ウィンザー」名義のアカウントに送らせていたが、同じくお咎めなしだ。

透明性も説明責任も法の支配も、虚構だ。米国の権力者は処罰を受けず、国民をなめ切っている。一方、国民の違反は些細なものでも見逃されない。それどころか、政府が国民を正当な理由なく収奪するパターンが明らかになりつつある。

(次回、【米国民の収奪が露骨化】~司法省報告を読み解く~(仮題)につづく。このシリーズ全2回)

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