[七尾藍佳]【完全民間保育サービスに公的資金を】~「仕事か子供か」二者択一迫らぬ社会 1~
Japan In-depth / 2015年3月17日 11時30分
この二つが実現すれば、子供が待機児童となってしまった親のみならず、収入・仕事の形態・家庭環境など様々な理由から民間の保育サービスを利用したくても利用できない子育て中の女性達の「潜在的労働力」を活用することができます。政府が示している規制緩和策は、実際的な効果を発揮するまでに時間がかかります。
今すでに営業している民間保育サービスの多くは、「保育園」という公的制度がカバーしない「保育ニーズ」に対応しているからこそ「独立採算」でやり繰りしているのであって、行政のサポートに頼っていないからといって「保育園」より質的に劣るわけではありません。
むしろその逆で、長時間労働・フルタイム就労を前提とし「復職=ストレス」となってしまうような現在の認証・認可保育園制度よりも、より幸せなワーキングマザー生活を送れるという理由から、あえて公的補助を一切受けていない割高の民間保育サービスを選択するママだっているのです。そういった民間サービスに資金を投じた方が、より効率的・生産的に女性の労働力を活用できるでしょう。
また、所属団体の基準を守り、きちんと安全と衛生管理を行い、能力のある多くの保育従事者が今すでに稼働しています。彼、彼女たちを活用すれば、保育士不足は一気に解決します。必要なのは、行政が柔軟になることです。
次稿では①の例として、毎年のように待機児童数全国ワースト1になってしまう世田谷区に昨年12月オープンした“保育つきシェアオフィス”を取り上げます。公的援助がエアポケットのように抜け落ちてしまっている分野で、女性たちが「仕事」と「子供」のどちらも犠牲にせずに「幸せなワーキングマザー」という生き方を実現させようと創意工夫を凝らしている姿をご紹介します。
(このシリーズ、2 に続く)
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
政府、「資産運用特区」で投資マネー呼び込み 4都市を指定
ロイター / 2024年6月4日 18時6分
-
「外国人医師の産科医療」「調剤の業務委託」「在留資格」…5戦略特区で規制緩和、効果見極め全国へ
読売新聞 / 2024年6月3日 20時3分
-
「全国最悪の待機児童1200人」はなぜ4年でゼロになったのか…世田谷区が保育園を増やすためにやったこと
プレジデントオンライン / 2024年5月26日 9時15分
-
幼少期の体験から歓楽街に保育所を立ち上げたスナックのママ「親が幸せ=子供も幸せ」
RKB毎日放送 / 2024年5月17日 18時25分
-
【世田谷区共催】保育士志望者や保育士向け就職・転職フェアを開催
PR TIMES / 2024年5月9日 17時40分
ランキング
-
1ハチに刺されて従業員死亡…測量業者を労働安全衛生法違反の疑いで書類送検
読売新聞 / 2024年6月4日 7時16分
-
2「ことしはメスのクマ520頭捕獲」北海道が保護管理委員会で生息数増加抑制のため目標定める
STVニュース北海道 / 2024年6月4日 7時52分
-
3花粉症対策でスギ植え替え促進 林業白書、発生源2割削減
共同通信 / 2024年6月4日 9時37分
-
4「空き缶にハイター入れた」 川崎の京急線車内で爆発 神奈川県警、20代男性を事情聴取
カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年6月3日 23時40分
-
5速報 「散弾銃が暴発して左肩から出血してるので、救急車お願いします」60代の女性、肩の骨を折る重傷…ハンターの男性が手入れ中に暴発、所持許可更新せず銃刀法違反の疑いも視野に捜査 北海道北広島市
北海道放送 / 2024年6月4日 11時12分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください