[細川珠生]【専業議員・世襲が多すぎる地方議会】~統一地方選前に住民も議員のチェックを~
Japan In-depth / 2015年3月22日 11時0分
いよいよ4月12日・26日に統一地方選が行われる。しかし、地方選は国政選挙のように関心が高まらない。特に地方議会選挙では、「誰に投票しても同じだろう」という考えの人が多く、投票率は低い。この問題について、作家で、「地方議会を変える国民会議」の発起人でもある堺屋太一氏を招き、解決策を探った。
堺屋氏は、国民会議を立ち上げた理由について、「今、地方議会は殆どの議員が議員専業になっている。専業ばかりだと、一般のサラリーマンや自営業者の意見が反映されない」と、問題点を指摘した。専業議員任せだと、利権を持っている人がそれを守るということの繰り返しになってしまう。
また、地方議員に世襲が多いことも指摘。この理由について、投票率が低いこと、お祭りや結婚式など、地域のイベントに積極的な人に票が集まることを指摘した。このような状態になると「特殊な人が特殊な利権のために働く可能性が高い」と堺屋氏は指摘した。
地方議会の開催日数は、都道府県でも100日に満たない。町村議会においては44日しかないという。これについて堺屋氏は、「議会の日数は現在でも長すぎるくらいだ。もっと実のある詰まった議論をすれば、こんなに時間をとるものではない。」と議会の非効率を指摘した。
また、報酬についても、現在の報酬は高すぎるとし、議会が開かれた日の日当だけにすべきだと意見を述べた。さらに「議会の開催日を土日、夜間に限るとすれば、サラリーマンや自営業者も出席できる」と提案。誰でも参加できる議会にすることが大切だと説いた。
昔は家業を持っている人が、それをやりながらボランティアで地域のために働いていたが、現在では、地方に行くほど他の仕事がなく、専業議員が増える。そうなると「だんだん一般の感覚が遠ざかっていく」と堺屋氏は指摘。投票する方も、「学識・経験がある」「いい意見がある」等を選ぶ基準にするよう呼びかけた。
地方議会では、議員の提案がとても少ない。今は、市長などの提案が優先的に議論され、議員提案がなかなか通らない制度になっているが、堺谷氏は、議員の提案を先に審議することを提案し、「議員の活動も活発になるし、一般の人々も議員に頼るようになる」と堺屋氏は述べた。
また、住民投票をもっと増やすべきだとも述べ、「一期4年の間に少なくとも2回はやってほしい。」と話した。地方議会は、国政の票集めの手足になっている部分もある。「国政は国政。地方は地方で身近なテーマをそこで完結させる。地方と国をきちんと分けることが必要。」と細川氏が述べると、堺屋氏も同意した。
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