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[安倍宏行] 【「ジャパン・クオリティ」を体感した日】~一人のCAが発した“一言”~

Japan In-depth / 2015年3月22日 23時0分

そういえば、離陸直前だったので、学生に席を変わってくれと言われ移動中に、目が合ったCAに、「(この人に)変わってくれと言われたのでこっちに動きます。」といった覚えがあった。大したことではないし、それでことはすんだと思っていたのだが、そのCAは自分たちの落ち度で何か問題でもあったのでは、と気に病んでいたらしい。

正直、満席で座席変更は出来ない、と言われていたわけだから、このハプニングがなければ私は通路側の席に座ることなく13時間半のフライトを過すことになったわけだ。実際は空席もあったし、私に席を変わってくれる人がいたわけだから航空会社としてはよりよいサービスを提供できる余地はあったということだ。新しいシステムでは席同士の通信もモニターで出来るようになっていたから、「席を変わりたい」とのリクエストを全乗客に知らしめることはさして難しいことではなかろう。

しかし、問題はそこではない。かのCAは、何とかしたかったのだが、出来なかったのが申し訳なかったし、席を変わったのは何か嫌な思いを客がしたからなのだろうか、と思いを馳せたところが凄いのだ。正直私もそこまで気にかけていたのか、と驚いた。クレームが怖いからでしょ、と言ってしまえばそれまでだが、彼女の言葉からはそれ以上のものを感じた。

それが"Japan Quality"だと私は思う。どこまで相手の気持ちに寄り添うか。それが本質だ。本来日本はそうした行動は当たり前だったように思う。席を譲る。困った人には声をかける、手を差し伸べる。「一日一善」と言う標語もあったではないか。CAの一言に深く感じ入った13時間半だった。“OMOTENASHI”とは、一朝一夕に身につくものではなく、二千年の我が国の歴史の中でつちかわれたものなのだと感じいった日であった。

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