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【何処に住むか、誰と生きるか、何をするか】~新・社会人へのメッセージ~

Japan In-depth / 2015年4月1日 18時0分

 

どうやって探すか

この人生の3つの基盤を探すのは、時間がかかる。時間をかけて決めないと後悔する。37歳の今振り返って考えてみると、おそらく基礎教育が終わる15歳から30歳あたりまでが方向性を決める重要な時期だ。その時期は、基礎的な社会の知識がつき始め、自分で計画を立てて実行に移すことができるようになる。同時に、後先考えない馬鹿な試みや自分の限界に思う存分挑戦することができる時期で、かつ、取り返しがつきやすい時期ともいえる。

30歳以降は制約が多くなり、知能、体力的な限界も見えて来る。たとえば、女性も子供が欲しいと思うのだったら、20代の時期によく考えておくことをお勧めする。最近では、医学の進歩もあり、40代でも出産は珍しくないが、様々な困難が伴う確率が高くなるし、高齢出産、育児は大変だ。また、限られた事例しか持ち合わせてないが、30代近くに仕事をやめる決心をして、何をしたいか探すのは、しないよりはいいだろうが、非常な精神力と体力とお金が必要になってくる。

20代は、様々な可能性に挑戦すればいい。それが、がむしゃらに働くということでも、他の経験をするというのでもいい。ただ、10年かけて3つの基盤を決めることを念頭に置き、無為に時間を浪費するのは避けることを勧めたい。結局、いろいろなことが決まるのは30代かもしれないけれど、そこの頃までにどれだけの豊かな経験をしているかが、その後の人生の礎をつくることに大きな影響を与えるのだと思うからだ。自分探しの名の下でただ旅行しまくるとか、考えずにがむしゃらに仕事だけをするのはやめたほうがいい。

30歳間近になってようやく大学を修了するデンマーク人は、「まだ働いていない」という立場を活用し、少ない社会的制約のもと、20代のほとんどを大胆な自分探しに費やす。それは企業でのインターンかもしれないし、社会的プロジェクトを立ち上げることかもしれないし、1年間放浪することかもしれない。社会的にもそれが許されているデンマークは、20代前半で就職し制約が多く生まれてしまう一般的日本人よりは、その後の人生の基盤作りの20代の貴重な時間を費やしやすい。

新社会人の皆さんには、30歳になった時に、3つの問いへの答えが見つかるような毎日を過ごして欲しいと思う。

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