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[相川梨絵]【懸念される感染症と子供の栄養】~台風直撃のバヌアツ事情 3~

Japan In-depth / 2015年4月8日 18時0分

タレオ氏からこの話が出なかったので、もしかしたら、保健省では、エキペで流行しているかもという事実を把握していないのかもしれません。後日、保健省担当の日本人ボランティアに対策をしてほしいと伝えましたので、近日中に調査に入ると思います。


次に、心配なのが子供たちの栄養面です。これまでの記事でも書いたように、バヌアツの農作物は全滅しました。多くのバヌアツ人は、現在、米しか食べていない状況です。この状況が植物が育ち収穫できるまでの期間、早くても3ヶ月続くと言われています。3ヶ月間米だけで、子供たちの健康被害は起こらないのでしょうか?


この質問には、栄養士のチームが、各村の現状を分析している段階という回答でした。現時点では、ビタミン剤などの配布は考えていないようで、状況をみて対処するとのことでした。しかし、話の雰囲気から、栄養面に関しては楽観視しているように感じました。


今回のサイクロン災害に関する対策は、各国の大きな支援も入り、とても迅速に、効率よく行われているという印象でしたが、保健分野においては、少し、後手の感じがします。もともと、発展途上国のバヌアツでは、医師不足、医療環境の悪さがあります。医療関係者の教育もまだまだ足りません。有事の時の組織のシステムもしっかりしていません。せっかく海外から薬の支援が届いても、使ったことがないものは、現地人看護師が処方できず無駄になっているという問題も起こっています。


今は、海外からの医療チームが来て、ヘルプしてくれていますが、彼らが帰ったときにバヌアツ独自でやっていけるのでしょうか。タレオ氏は言います。今必要なものは、①壊れてしまった病院、ヘルスセンターなどの医療施設の環境を整える②薬や医療器具③人材④お金だそうです。


人材を考えると、一時的でなく長期的な支援が必要となりそうです。また、バヌアツ自身も支援に頼るだけでなく、今回の経験からしっかりした医療従事者を育て、システムを構築しなければなりません。バヌアツの医療がこれを機にステップアップするか、今後バヌアツが強くなる鍵がここにあるのではないでしょうか。


※トップ画像/日本の医療チーム




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