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[岩田太郎]【「空飛ぶワンオペ」がやってくる】~航空安全議論をコスト減にすり替え~

Japan In-depth / 2015年4月9日 23時0分

また、コントロール優先権を伴う遠隔操作がサイバー攻撃を受け、乗っ取られたらどうするのか。ハッカーやテロリストが、数十機を同時に墜落させ、目標に突っ込ませることが可能になり、かえって危険が増す。また、無線操縦が誤動作した場合の対策が、「名ばかり機長」に務まるか。安全問題の解決どころか、問題を増やす。

機械やソフトがヒューマンエラーを減らすというが、ソフトを書くのも人、運用するのも人、機械の設計や手入れも人が行う。人の延長であり、作る人と運用する人の誤りが反映される。機械は安全面で信頼できて、人は信頼できないという二元論は、人減らし・コストカットの口実に過ぎない。ジャーマンウィングス機の事件で盛り上がった安全議論は、早くもコスト削減に奪胎換骨された。

ルビッツ容疑者の犯行が提起したのは、激務のパイロットが年収400万円程度しかもらえず、いつでも切り捨てられることへの怖れと恨みが、自暴自棄や大量殺人犯を生む土壌だったということだ。

自分の能力が正当に評価され、さらに伸ばすことが期待され、信頼して仕事を任されなければ、社員は本気にならないし、必死の頑張りもしない。人の持てる以上の力を発揮させ、安心と安全を人によって体現するのが本当の経営だ。機械は任務に誇りを覚え、持てる以上の力を発揮することはない。


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